俳句

季語|雪女(ゆきおんな)

晩冬の季語 雪女

雪女郎(ゆきじょろう)

雪女の俳句と季語(東錦絵)雪の妖怪で、「ユキムスメ」「ユキオンバ」「ユキオナゴ」などと呼ばれることも。「宗祇諸国物語」(西村市郎右衛門:1685年)には、宗祇の越後滞在時に雪女に遭遇したとの記述がある。その時の雪女は、背丈1丈(約3メートル)、二十歳たらずの色白の美女だったとのこと。春先に雪女はおかしいだろうと宗祇が言うと、花や木の葉が散り時に美しいのと同じようなものだとの返答を得た。

雪女の伝説は、日本各地に残り、いずれも哀調を帯びる。代表的なものには、氷柱が雪女になったというのがあり、嫁にした男が風呂に入れると消えてしまったという伝説がある。
また、雪女は人間の精気を奪うとも言われ、雪女の呼びかけに対して返事をしないと、谷底へ突き落されるとも、凍死させられるともいう。吹雪の晩に子供(雪ん子)を抱いて立つ雪女に子守を頼まれると、その子はどんどん重くなり、終いに雪に埋もれて凍死する。

小泉八雲の怪談「雪女」は、西多摩郡調布村の伝承をもとにしたもの。雪の晩に雪女に殺されなかった樵が、知らずに雪女と結婚し、その正体を知ってしまう物語である。

【雪女の俳句】

雪女この世の人は嘘を言う  蝦名石蔵
雪女こちふりむいてゐたともいふ  長谷川素逝



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA