俳句

季語|梔子の花(くちなしのはな)

仲夏の季語 梔子の花

山梔子の花(さんししのはな・くちなしのはな)

梔子の花の俳句と季語アカネ科クチナシ属の常緑低木。いくつかの種類があり、八重の花を咲かせるヤエクチナシもある。6月から7月頃に白い花をつけて、よく匂う。日本を含む東アジアが原産地で、静岡以西に自生するが、現在では園芸用に栽培されることが多い。

「巵」は、古代中国の盃。梔子の実が、その盃の形に似ていることから「梔子」の字を当てたとされる。
秋に実が熟しても、割れないために「口無し」という名がついたと言われる。そのことを題材にしたものとして、古今和歌集に載る素性法師の

山吹の花色衣主や誰 問へど答へずくちなしにして

がある。また、同じく古今和歌集に詠み人知らずで載る

みみなしの山にくちなしえてしかな おもいの色のした染めにせん

は、耳成山の梔子と詠むことで、誰にも知られないということを暗喩している。
これらの和歌に詠み込まれるように、果実は山吹色の着色料として用いられる。この色を「梔子色」「謂はぬ色」と呼んだ。果実は、漢方薬にもなる。ただし「梔子の実」は、秋の季語である。
春の沈丁花、秋の金木犀と並ぶ三大香木に数え上げられる。その香はジャスミンにも似ることから、イギリスでは「ケープジャスミン」と呼ばれる。

1973年から1974年にかけて、渡哲也の歌う「くちなしの花」が大ヒットした。この曲のヒットとそのネーミングから、日本では寂しげなイメージで語られがちな花であるが、花言葉は「喜びを運ぶ」「優雅」「洗練」。欧米では、プロポーズに女性に捧げる花ともなる。

【梔子の花の俳句】

くちなしの淋しう咲けり水の上  松岡青蘿

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