俳句

季語|甲虫(かぶとむし)

三夏の季語 甲虫

兜虫(かぶとむし)

甲虫「こうちゅう」と読めば、ホタルやテントウムシをも含むコウチュウ目の昆虫であるが、俳句では、「甲虫」と書いて「かぶとむし」と読ませる。

一般にカブトムシと呼ばれる日本産のものは、コウチュウ目コガネムシ科カブトムシ亜科真性カブトムシ族のヤマトカブトムシである。沖縄に生息するヤンバルテナガコガネを除けば、日本最大の昆虫で、「昆虫の王様」とも呼ばれる。
成虫は6月から9月頃に見られ、夜間、クヌギやコナラなどの樹液に集まる。夏休みに行う昆虫採集では、最も人気の高い昆虫であり、夏の季語となる。走光性があり、街灯などにも飛来する。
カブトムシは鳴くと言われることもあるが、興奮した時に上翅と腹部をこすり合わせて出す、摩擦音である。
兜の前立てのような角をオスが持つことが、カブトムシの名前の由来である。この角を用いて、餌場や雌を求めて争う。因みに、兜の前立て自体は鍬形(くわがた)という。

江戸時代の「大和本草」に取り上げられるが、俳諧歳時記栞草に名は見られない。夜行性であるためか、江戸時代にはそれほど馴染みのある昆虫ではなかったと見られる。カブトムシが人気になったのは、懐中電灯が庶民のものとなり、昆虫の飼い方の教材が人気を集めた1960年代になってから。

【甲虫の俳句】

死してなほ兜のおもき兜虫  土生重次

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