初夏の季語 柏餅
5月5日の端午の節句に供物とする、柏の葉で餡餅を包んだ和菓子。柏の葉は、新しい葉が茂るまでは枯れ葉が落ちないことから、子孫繁栄の願いが込められる。
柏餅は江戸時代中期に関東で生まれたもので、関西では柏の葉が入手しにくかったことから、猿捕茨(さるとりいばら)の葉で代用される。因みに、俳諧歳時記栞草(1851年)では「畿内には、さのみ用ひぬ事なり」とある。
「かしわ」は本来、ブナ科のカシワを指す「槲」の文字が当てられるべきであり、俳諧歳時記栞草にも「槲餅」とあるが、現在では専ら、ヒノキ科のコノテガシワを指す「柏」が使われるようになった。
「かしわ」の語源には、「炊葉(かしきは)」があり、元は、食べ物を包むのに使われた葉のことを指した。
【柏餅の俳句】
てのひらにのせてくださる柏餅 後藤夜半