仲春の季語 茅花
茅萱の花(ちがやのはな)
茅花は、イネ科チガヤ属チガヤの花の事。全国の草地に群生し、雑草として扱われることがある。4月から6月頃に、白い綿毛に包まれた花穂を出す。サトウキビの近縁種でもあり、花穂には甘みがある。昔は子供のおやつ代わりになった。
茅花の花穂をなびかせる風は「茅花流し」と呼んで、夏の季語になる。「茅萱」や「茅」は秋の季語になる。
万葉集には「茅花」を歌った和歌が4首あり、紀女郎が大伴家持に贈った和歌に
戯奴がためわが手もすまに春の野に 抜ける茅花ぞ食して肥えませ
それに応えた大伴家持の和歌に
我が君に戯奴は恋ふらし給りたる 茅花を食めどいや痩せに痩す
がある。
【茅花の俳句】
夕べ淋しさや茅花茅花の明り持つ 高田蝶衣