季語|沢瀉(おもだか)

仲夏の季語 沢瀉

面高(おもだか)・花慈姑(はなぐわい)

沢瀉オモダカ科オモダカ属オモダカは、中国原産で平安時代に渡来。現在では日本各地の水田や池などに見られる水生植物で、7月から10月頃に白い花を咲かせる。

語源は、中国語の湿地を意味する涵澤(おむだく)にあるなど、諸説ある。「慈茹(くわい)」の別名もあるが、葉を「鍬」に見立てて根を食していたことから、「鍬芋(くわいも)」と呼ばれ、それが転訛したもの。
枕草子の「草は」に、「おもだかも名のをかしきなり、心あがりしけむとおもふに」とある。
俳諧歳時記栞草(1851年)では夏之部六月に分類されている。苗を「おもだか」、根を「白くわゐ」と呼ぶとし、別名に「燕尾草」があるとしている。
葉が矢尻形をしているため「勝軍草(かちいくさぐさ)」の別名があり、その葉と花を図案化した「沢瀉紋」は十大家紋に数え上げられる。

【沢瀉の俳句】

やれ壺に沢瀉細く咲きにけり  上島鬼貫

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