仲秋の季語 金木犀
木犀(もくせい)・銀木犀(ぎんもくせい)
モクセイ科モクセイ属の常緑小高木に、金木犀・銀木犀・薄黄木犀などがある。中国原産。単に「木犀」と言った場合には「銀木犀」を指す。
9月から10月頃に、金木犀はオレンジ、銀木犀は白、薄黄木犀は淡いオレンジ色の花を咲かせて、特に金木犀はよく薫る。雌雄異株で、日本で雌株を見ることは、まず無い。
「木犀」の名は「下学集」に見られることから、室町時代には渡来していたと考えられる。金木犀は、江戸時代に雄株が渡来し、挿し木で増やされていった。
サイの足に似た樹皮を持つために「木犀」と言う。中国では「木犀」のことを「桂花」とも言い、日本でも「桂の花」と呼ぶことがある。
1970年代から1990年頃まで、金木犀の香りが芳香剤としてしばしば使用されていたため、トイレを連想する者がある。中国では、金木犀の花を茶に入れて、桂花茶にする。
【金木犀の俳句】
木犀のこぼれ花より湧ける香も 皆吉爽雨