千葉県内 俳句の舞台となった旅館
鴨川グランドホテル瀬戸内寂聴の小説「いよよ華やぐ」のモデルとなった鈴木真砂女は、鴨川グランドホテルの前身である吉田屋旅館に生まれた。吉田屋旅館の女将だった姉の影響で俳句をはじめ、波乱万丈の人生を歩んだ。けれども、生涯の指針となった俳句「あるときは舟より高き卯波かな」を見ると、原点は常に故郷の海にあったことが分かる。一時真砂女が女将を務めた吉田屋旅館は、昭和40年に鴨川グランドホテルに形を変えたが、「鈴木真砂女ミュージアム」を併設し、玄関で「初凪やもののこほらぬ国に住み」の句碑が出迎えてくれる。
千葉県の御当地季語
布施参(新春の季語)正月初巳に、柏市布施の東海寺にある布施弁天に詣でること。
千葉笑(冬の季語)大晦日の深夜から元日の未明に、仮装をして千葉寺に集い、人の良くない行いなどを罵り合い、笑って年を越した。明治時代に途絶えたが、近年復活し、大晦日の行事となっている。
千葉県を詠んだ俳句
あるときは舟より高き卯波かな 鈴木真砂女鴨川市の吉田屋旅館(現:鴨川グランドホテル)の三女であった真砂女の代表句。銀座に小料理屋を開いたときも、この句から「卯波」と名付けた。
まさをなる空よりしだれざくらかな 富安風生「松籟」(1940年)所収。弘法寺の伏姫桜を詠んだ俳句。