俳句

茨城県の季語と俳句

茨城県の御当地季語

鹿島の事触(新春の季語)
かつて鹿島神宮の神官は、正月に吉凶を占い、三が日は諸国を巡って触れ歩いた。その御札は言値で頒布されたため、後にそれに似せて「鹿島事触」が行われるようになり、廃止された。

鹿島踏歌祭(新春の季語)
かつて鹿島神宮で正月14日に行われていた祭りで、神官が、笛太鼓に合わせて仮殿の周囲を巡っていた。

青馬祭(新春の季語)
現在では「白馬祭」と書いて「おうめさい」と読む、1月7日の鹿島神宮の神事。祭神の目覚める1月7日に、神門から楼門まで白馬で駆け抜ける。

常陸帯の神事(新春の季語)
鹿島神宮で正月に行なわれた神功皇后の腹帯にかかわる神事で、常陸帯祭ともいい、結婚を占う。明治時代に廃れたが近年復活し、1月中旬の日曜日に行われる。

初筑波(新春の季語)
元旦に見る筑波山のこと。

鹿島祭頭祭(春の季語)
鹿島神宮で3月9日に行われる大祭。防人が鹿島立をする際の姿を再現したもの。

麦藁鯊(夏の季語)
水戸市の涸沼川で、夏に釣れるハゼ。

鹿島祭(秋の季語)
鹿島神宮の例祭に伴い、9月1日から2日にかけて行われる祭事。

筑波颪(冬の季語)
筑波山を見渡せる範囲で、筑波山方面から冬場に吹く北寄りの風。

茨城県を詠んだ俳句

此松の実ばえせし代や神の秋 松尾芭蕉
貞享4年(1687年)8月25日に成った「鹿島紀行」に、「神前」として載る句。根本寺の仏頂和尚の招きに応じ、仲秋の名月を鑑賞するために鹿島に出向いた。

赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり 正岡子規
明治27年10月27日、新聞「日本」に初出の正岡子規の俳句。東京根岸の郊外から筑波山を仰いだ。