松江重頼

まつえしげより

近世俳諧の出発点「犬子集」を刊行

慶長7年(1602年)~延宝8年6月29日(1680年7月24日)。京都出身。通称は大文字屋治右衛門。俳号は維舟。京都の撰糸商人。西山宗因と共に、連歌を里村昌琢から学ぶ。俳諧を松永貞徳に学び、貞門七俳仙に数え上げられる。

寛永10年(1633年)に近世俳諧の出発点となる「犬子集」を刊行するが、ともに撰に当たっていた野々口立圃の「蛍火は河のせなかの灸かな」という句を、「蛍火は野中のむしの灸かな」という貞徳の句があると言って、受け付けなかった。貞徳も立圃の句を推したが受け入れず、師弟関係がこじれた。このことを怨み、立圃を害しようとしたために、貞徳はやむなく立圃を勘当した。この事件がきっかけとなり、「犬子集」を刊行した同年に、重頼も貞徳のもとを去る。
さらに、正保2年(1645年)に刊行した「毛吹草」で、池田正式の「庭訓は春のはじめの試筆かな」を巻頭にすると約束していた。しかし、約束を違えたことが波紋を呼び、正式に果し状を突きつけることとなった。正式が折れることで決着したが、貞門との対立が深まった。
また、安原貞室が母の追悼のために詠んだ句「葉は花の台(うてな)へ登れ仏の座」を、葉が鼻の上にあると解釈し、「朝顔は日まけをしてやはなひしげ」と歌うなど、貞門とは和解することがなかった。

門下に池西言水上島鬼貫ら。

▶ 松江重頼の俳句



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