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黒柳召波 ●

音なしに春こそ来たれ梅一つ 季
虹たるるもとや樗の木の間より 季
かたつぶりけさとも同じあり所 季
夏の山しづかに鳥の鳴く音かな 季
埋み置く灰に音を鳴くみかんかな 季
憂きことを海月に語る海鼠かな 季 (春泥発句集)●
沫を消す内儀老いたり玉子酒 季
大原や木の芽すり行く牛の頬 季
あまざけや盒に居並ぶ父と母 季
交れば世のむづかし薄羽織 季
むせるなと麦の粉くれぬ男の童 季
口切や寺へ呼ばれて竹の奥 季
おにやらひうらの町にも聞えけり 季
北面の御堂かしこし御影供 季