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松岡青蘿 

花菖蒲津田の細江の便りかな 
くちなしの淋しう咲けり水の上 
みじか夜や蚕飼ふ家の窓明り 
蘭の香は薄雪の月の匂ひかな 
空蝉を見るにも星の別れかな 
やるかたのなきに見て泣須磨の月 
ながむれば海また海や秋の暮れ 
幾行も雁過る夜となりにけり 
三日月に行先暮るゝ枯野哉 
荒海に人魚浮けり寒の月 
羽音さへ聞えて寒し月の雁 
けふよりは頭巾の恩も知る身かな 
ふなばたや履ぬぎすつる水の月 
死ぬことをしつて死けり秋の風 
おもしろう松風吹けよ除夜の闇