金子兜太 ●
初夏旅人茜のあとは食欲りて 季銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく 季 (金子兜太句集)●おおかみに蛍が一つ付いていた 季水脈の果炎天の墓碑を置きて去る 季寒波山並われ腰立たず這い廻る 季雪晴れに一切が沈黙す 季雪晴れのあそこかしこの友黙まる 季友窓口にあり春の女性の友ありき 季犬も猫も雪に沈めりわれらもまた 季さすらいに雪ふる二日入浴す 季さすらいに入浴の日あり誰が決めた 季さすらいに入浴ありと親しみぬ 季河より掛け声さすらいの終るその日 季陽の柔わら歩ききれない遠い家 季狼を龍神と呼ぶ山河かな 季傷みやすい七十男とさより食ぶ 季弯曲し火傷し爆心地のマラソン 季人顔の麻の花なり咲いた咲いた 季わが顔へ葭切蒿雀鳴き立てる 季れんぎように巨鯨の影の月日かな 季
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