広瀬惟然 ●
水さつと鳥よふはふはふうはふは 季水鳥やむかふの岸へつういつうい 季ゆったりと寝たる在所や冬の梅 季水仙の花のみだれや藪屋敷 季衣更着のかさねや寒き蝶の羽 季ひよどりや霜の梢に鳴き渡り 季きりぎりすさあとらまへたはやとんだ 季両袖にただ何となく時雨かな 季おもたさの雪はらへともはらへとも 季梅の花あかいは赤いはあかいはな 季彦山のはなはひこひこ小春かな 季長いぞや曾根の松風寒いぞや 季下萌えもいまだ那須野の寒さかな 季引張てふとんぞ寒き笑ひ聲 季更け行くや水田の上の天の川 季銭百のちかひ出来たならの菊 季節季候や畳へ鶏を追ひ上げる 季飛んでまたみどりに入るや松むしり 季
1 |