俳句

季語|蝌蚪(かと)

晩春の季語 蝌蚪

お玉杓子(おたまじゃくし)蛙子(かえるご)・蛙の子(かえるのこ)

蝌蚪の幼生の総称。水田や池などの淡水域に年中見られるものではあるが、稲作との関係で春に目にすることが多い。
親であるカエルは肺呼吸をするが、オタマジャクシは鰓呼吸をする。孵化したばかりのものは胴部と尾部のみで構成されているが、やがて後肢が出て、遅れて前肢が出る。最後に尾が胴部に吸収されて、成体となる。種類によってはオタマジャクシの形で数年を過ごすものもあるが、ニホンアマガエルのオタマジャクシ期間は約1カ月であり、藻類などを食べて生活している。

「蝌蚪」は中国名に由来しており、「お玉杓子」は多賀大社の「お多賀杓子」に形が似ているところからきた呼び名だと考えられている。
童謡に「お玉じゃくしは蛙の子」がある。また、音符をオタマジャクシと呼ぶなど、日本人にとって蛙の子は身近なものである。

【蝌蚪の俳句】

おたまじやくし乾からびし路先細る  西東三鬼
我影のうつれば見ゆる蝌蚪の群  星野吉人

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