三冬の季語 鴨
カモ目カモ科。雌雄で色が異なり、雌は地味なものが多い。カモ科の鳥の内、カルガモ、オシドリなどは通年見られるのに対し、マガモ、コガモなどほとんどのカモは、冬鳥として渡ってくる。なお、アヒルはマガモを原種とする家禽である。
日本では、古くから食用にされており、各地の貝塚から鴨の骨が発見されている。また、播磨国風土記には、応神天皇の時代に鴨を羹にしたとの記述がある。身近な鳥であった証に、各地に「鴨川」などの地名が存在する。
「鴨」は利用しやすい人を指す言葉でもあり、「鴨が葱を背負ってくる」などの諺も生まれた。
有名な和歌に、謀反の疑いで自害させられる直前に大津皇子が詠んだとされる
百伝ふ磐余の池に鳴く鴨を 今日のみ見てや雲隠りなむ
が万葉集に載る。
【鴨の俳句】
明方や城をとりまく鴨の声 森川許六