雉(きじ)

三春の季語 

雉子(きじ・きぎす)

季語キジ目キジ科キジ属に分類される鳥。日本固有の留鳥で、性質は勇敢、「焼け野のきぎす」の諺もあるように母性愛が強いため、戦後すぐに日本の国鳥に指定された。
日本では古くから親しまれてきた鳥で、万葉集には8首が載るほか、日本神話にも「鳴女(なきめ)」という名の雉子の話が登場する。それによると鳴女は、天孫降臨にさきがけて遣わされた天若日子が帰ってこないのを訝しみ、地上に遣わされた。しかし、その悪声が嫌悪されて、天若日子によって射殺される。この神話は、「雉子の頓使(ひたづかい)」といって、行ったきりの使いを表す諺になったという。
繁殖期の雄は攻撃的になり、翼を体に打ちつける「母衣打ち」などが見られる。また、この時に大声で「ケン」と鳴くが、これが雉の大きな特徴として認識され、「雉も鳴かずば撃たれまい」といった諺にもつながっている。
なお、「雉も鳴かずば撃たれまい」は、「長柄の人柱」という大阪の民話に由来し、

もの磐氏父は長柄の人柱 キジも鳴かずばうたれざらまし

という歌が伝わる。
現在最もよく親しまれている雉は、「桃太郎」の中に登場する家来だろう。家来として猿・犬・雉が選ばれたのは、裏鬼門に当たる申・戌・酉が対応していると言われている。この中で雉は、「勇気」の象徴である。

雉は、古くは「キギシ」と呼ばれ、「キギ」と聞きなした鳴声に、鳥の接尾語「シ」をくっつけたものが語源になっているとする説がある。

父母のしきりに恋ひし雉子の声  松尾芭蕉

インターネット歳時記

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