鰹(かつお)

三夏の季語 

季語江戸時代に初物が縁起物として珍重されたことから、現在に至るまで鰹と言えば初夏の風物詩となっている。しかし、フィリピン沖から北上を始める鰹は、3月には鹿児島を通過し、8月頃に三陸沖にまで達して南下する、日本では春から秋にかけて親しまれる魚である。
江戸時代には鎌倉沖のものが珍重され、現代では土佐沖のものが有名である。しかし、一番脂がのっているのは三陸沖に達したころのもの。脂肪を蓄えた鰹は、やがて南下を始め「戻り鰹」となる。秋口の鰹には「トロカツオ」の名もつき、初鰹より旨いとの声もある。

鰹の語源は、身が堅いことから「かたうお」にあるとされる。その身を使った鰹節は、世界一堅い食品とも言われている。
鰹の食用利用は古く、5世紀頃には干鰹が作られていたと見られ、江戸時代に現在の鰹節に近い「熊野節」が作られるようになった。

古事記の雄略天皇条に堅魚(かつを)の記述がある。それによると、天皇が河内に御幸した折、堅魚を上げて天皇の御舎のように作った家があったので、焼き払おうとした。神社建築に残る鰹木のことであるが、「カツオを上げること」は、限られた者の住居にだけ許されていたことが分かる。

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鰹売いかなる人を酔はすらん  松尾芭蕉

インターネット歳時記


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