仲春の季語 雪解
雪がとけること。また、雪が解けたその水のことも「雪解」という。一般には、雪が解けることは春であり、雪が消えるとすれば冬となる。よって、「ゆきげ」で「雪消」と書けば冬となる場合がある。ただし、古式にのっとれば、「解」も「消」も春となす。
万葉の昔から和歌に歌われ、詠み人知らずの歌に
君がため山田の沢に恵具摘むと 雪消の水に裳の裾濡れぬ
がある。恵具とは「芹」のことであり、ここでの雪消(ゆきげ)は、現代の季語分類に則れば春と読み解くことができる。
対立する二者の間に和解の空気が生じてくることもまた、「雪解」という。
【雪解の俳句】
雪解川名山けづる響かな 前田普羅
雪とけて村一ぱいの子どもかな 小林一茶