三秋の季語 渡り鳥
秋に北方から渡ってくる鳥を主に指す。秋の季語となる種類の鳥に雁など、冬の季語となる種類の鳥に鴨・白鳥などがあるが、いずれも「渡り鳥」とすれば秋の季語となる。
また、鴨や鵙のように、季節に従って日本国内を移動する鳥は「漂鳥」と言うが、これも「渡り鳥」の季語を用いて差し支えはない。秋に南方へ帰る燕や時鳥なども「渡り鳥」ではあるが、その去り際は影が薄く、通常は「渡り鳥」の季語を当てはめない。ただし、燕には七十二候に「玄鳥去」があり、燕帰るで秋の季語になる。
「渡り鳥」は春に北方へ帰るが、この時は鳥帰るという。
【渡り鳥の俳句】
木曾川の今こそ光れ渡り鳥 高浜虚子
鳥わたるこきこきこきと罐切れば 秋元不死男