俳句

季語|鯖(さば)

三夏の季語 

鯖釣(さばつり)

鯖の俳句と季語(日東魚譜)スズキ目サバ科に分類され、日本近海ではマサバ(サバ属)・ゴマサバ(サバ属)・グルクマ(グルクマ属)・ニジョウサバ(ニジョウサバ属)が見られる。太平洋沿岸のマサバは、春に伊豆半島沖で産卵して北海道まで北上し、秋に南下し始める。南下して八戸沖に到った鯖は「戻りのサバ」として、最上とされる。また、豊後水道の関鯖(マサバ)は極上とされるが、これは回遊性が低く年中獲れるが、旬は秋から冬にかけてである。

サバの語源は、斑入りであることから「斑葉魚(いさばらうお)」と呼ばれていたものが転訛したところにあるという説や、「騒ぐ」という意味の「さばめく」にあるという説などがある。
鯖は、その旬の季節とは異なり夏の季語になっているが、俳諧歳時記栞草には夏之部六月に「鯖釣」が載っており、「能登の海上に四月多し」とある。また福井県には「半夏生鯖」という風習があり、夏の栄養補給のために半夏生に鯖を食べる風習があったという。比較的旬の食材が少ない夏場に、鯖は貴重なたんぱく源であった。若狭で獲れた鯖を塩鯖にして京まで運んだ街道は、現在でも「鯖街道」として残っている。
古くから親しまれてきた鯖は、いくつかの慣用句にもなっており、「鯖の生き腐れ」「鯖を読む」などがある。日本書紀(仲哀紀)には、天皇の御幸に際し「周芳の沙麼(さば)の浦に参迎ふ。魚塩の地を献る」の記述があり、「鯖」との関連がうかがえる。

▶ 関連季語 秋鯖(秋)

【鯖の俳句】

鯖釣やしらぬ火ならぬ浪のうへ  釈蝶夢



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA