猫|俳句になった生物

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俳句の世界にも譲らない猫

猫の俳句猫は気ままな生物である。俳句の世界でも、時には季語に変化して、気ままに振舞う。季語となった猫で人気があるのは「恋猫」。恋猫の春には、芭蕉の時代から数々の名句が生み出されている。
ただ、気分屋の生物だけあって、その正体を暴き出すのは至難の業。猫を扱うのは難しい。

猫の季語と俳句|春

【猫の恋】猫の発情期は春であり、昼夜を問わず赤子のような声で威嚇しあい、騒がしい。⇒猫の恋詳細

 猫の恋恋猫うかれ猫孕猫猫の妻春の猫

【猫の子】冬場を除いて子猫は生まれるが、子猫が最も多くみられるのは春。一度の出産で2~6匹ほどが生まれる。⇒猫の子詳細

 猫の子子猫猫の産親猫

猫の季語と俳句|冬

【竈猫】寒さに弱い猫は、冬になると暖かい場所を見つけて動かない。

 竈猫かじけ猫炬燵猫へつつひ猫

 

有名な猫の俳句

うらやましおもひ切時猫の恋

猫の俳句「猿蓑」所収の越智越人の句で、去来抄には、師である松尾芭蕉の評価が高かった句として取り上げられている。藤原定家の「うらやまし忍びもやらでのら猫の 妻恋ひさけぶ春の夕暮れ」を踏まえた句。芭蕉には、「猫の恋止むとき閨の朧月」の句がある。

声たてぬ時が別れぞ猫の恋

「千代尼句集」所収の加賀千代女の句。絶世の美女として知られた千代女の恋の句である。

何もかも知つてをるなり竈猫

「十三夜」所収の富安風生の俳句。昭和9年に詠まれたこの俳句によって、「竈猫」という季語が生まれたと言われている。

猫の俳句で知られる俳人|久保より江

ねこに来る賀状や猫のくすしより

夏目漱石の「吾輩は猫である」の雪江のモデルにもなった久保より江は、数多くの猫の俳句で知られている。有名な医学博士である夫の久保猪之吉氏とともに猫を可愛がり、複数の猫を飼っていた。猫の秀句に、掲句のほか「猫の子の名なしがさきにもらはれし」「泣き虫の子猫を親にもどしけり」「ねこの眼に海の色ある小春かな」などがある。

久保より江の俳句

猫の語源を考える

猫の俳句猫はよく眠ることから、その語源は「寝子」にあるのだと言われている。918年に編纂された本草和名には、「家狸 一名猫 和名禰古末(ねこま)」とあり、「寝高麗」として、伝来経路を盛り込んだとの説もある。
それは本当だろうか?たしかに猫はよく寝るが、犬と大差あるようには思えない。
徳島にある王子神社は猫神様と呼ばれているが、その由来は根子神にあるという。根子は、根付いた者の意で、土着神のことを指すという。「犬は人に付き、猫は家に付く」の言葉もある。土着の意味での「ネコ」に「魂」がくっついて、「ネコタマ」。それが転訛したと考えた方がしっくりいくような気がするが…
何はともあれ、我が家のタマは、自分のことを神だと思っているようである。

猫を探して俳句旅|一茶記念館

「春雨や猫に踊りを教える子」「虫干に猫もほされて居たりけり」「侘ぬれば猫のふとんをかりにけり」「としの夜や猫にかぶせる鬼の面」「一番に猫が爪とぐ衾哉」など300を超える猫の句を詠んでいる小林一茶。故郷の信濃にできた一茶記念館の館長は、なんと猫。館内の見回りに忙しくて、なかなか出会うことが出来ない。まるで、全国を渡り歩いた一茶そのもの。時々猫の企画展もやっており、「猫と一茶」という写真句集も販売している。

⇒ 一茶記念館

猫を探して俳句旅|猫の細道

猫の俳句尾道は、映画をはじめとする多くの文芸作品に登場する坂の街。それだけに、歩けば詩情が自ずと湧き起こる。その尾道には、「奥の細道」ならぬ「猫の細道」がある。名物のロープウェイ下からの小径で、天寧寺三重塔にかけての坂道。狭い路地に猫の置物があり、それに絡みつくように猫が通行する。また、近くには「招き猫美術館」や、警備員と猫の攻防で有名になった「尾道市立美術館」もある。

⇒ 猫の細道

歳時記とは何か歳時記とは何か