宮城県内 俳句の舞台となった旅館
作並温泉 鷹泉閣 岩松旅館正岡子規が明治26年8月に宿泊し、「はて知らずの記」には「温泉は廊下伝ひに絶壁を下る事数百級にして漸く達すべし。浴槽の底板一枚下は即ち涼々たる渓流なり」と記した上で、「夏山を廊下づたひの温泉かな」と俳句に詠んだ名旅館である。混浴の天然岩風呂などに、当時の面影を見ることができる。他に「涼しさや行燈うつる夜の山」の俳句もある。
青根温泉 湯元不忘閣多くの文人が訪れた湯元不忘閣は、伊達正宗が感激して「不忘」と名付けたことが由来とされる。高浜虚子も訪れ、門前には1972年に建立された「夕立の虹見下ろして欄に倚る」の句碑が立つ。芥川龍之介は与謝野晶子らの勧めで避暑に訪れ、約1か月滞在して執筆活動を行っている。
宮城県の御当地季語
箟宮祭(新春の季語)涌谷町の箟岳山箟峯寺の白山社で1月の第4日曜日に行われる例祭で、白山神事と呼ばれる。稚児が矢を射る弓神事では、その年の天候を占う。
仙台萩(春の季語)マメ科センダイハギ属の植物で、寒冷地の海辺の草地に4月下旬から5月に花をつける。その名は、仙台藩の伊達騒動を題材にした歌舞伎「伽羅先代萩」に由来する。
塩竈祭(夏の季語)7月第3月曜日に塩竈市で開催される祭りで、「塩竈みなと祭」ともいう。神輿海上御渡などがあり、日本三大船祭りのひとつである。