大分県の季語と俳句

大分県内 俳句の舞台となった旅館

別府亀の井ホテル

別府観光の歴史を切り開いてきた亀の井。高浜虚子がここを訪れたのは1920年(大正9年)7月。1927年(昭和2年)7月には、大阪毎日新聞社と東京日日新聞社が行った投票企画「日本八景」で別府の担当となり、「亀の井旅館」を再び訪れた。その時の記録が、平凡社ライブラリー「八大家執筆」に遺されている。詠まれた俳句に「温泉に入るや瀬戸内海の昼寝覚」。さらに1940年(昭和15年)10月にも訪れ、「秋晴の軸の大字のかはやかに」。

亀の井別荘

句会でも人気の、湯布院の静かな温泉宿「亀の井別荘」。1927年(昭和2年)7月に一族で宿泊した高浜虚子一行は、「大夕立来るらし由布のかき曇り」(虚子)、「こゝに見る由布の雄岳や蕨狩」(高浜年尾)、「これがこの由布といふ山小六月」(星野立子)と詠んだ。別府と湯布院の中間にある城島高原に句碑がある。

大分県の御当地季語

城下鰈(夏の季語)
速見郡日出町で漁獲されるマコガレイ。

宇佐祭(秋の季語)
10月の体育の日の前々日から3日間、宇佐神宮で行われる放生会。724年の神託をもとにした、放生会の起源とも言えるものである。

豊後芋(秋の季語)
里芋の一品種。

大分県を詠んだ俳句

海地獄美し春の湖より 高野素十
昭和15年(1940年)に九州を巡った折の、別府での俳句。海地獄に句碑がある。

しぐるるや人のなさけに涙ぐむ 種田山頭火
「行乞記」昭和5年(1930年)11月11日。湯ノ平温泉の大分屋に泊まって詠まれた。

ご当地季語と御当地俳句