福永耕二 ●
切株がいつものわが座囀れり 季黒板にわが文字のこす夏休み 季旅人として花茣蓙の端に座す 季泳ぎ来し髪をしぼりて妻若し 季蛍火やまだ水底の見ゆる水 季花栗や夢のなごりの盗汗拭く 季昼顔や捨てらるるまで櫂痩せて 季こころ足る日は遠出せず花葵 季萍の裏はりつめし水一枚 季紅葉して桜は暗き樹となりぬ 季落葉松を駈けのぼる火の蔦一縷 季鳳仙花がくれに鶏の脚あゆむ 季切株のはなればなれに霜を待つ 季火事を見し昂り妻に子に隠す 季寒木瓜や人よりも濃き土の息 季新宿ははるかなる墓碑鳥渡る 季 (踏歌)●海棠のしたたる雨となりしはや 季
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