三春の季語 蝶
紋白蝶(もんしろちょう)・蝶々(てふてふ・ちょうちょう)・胡蝶(こちょう)・黄蝶(きちょう)
同じ蝶でも、「揚羽蝶」は夏の季語となる。蝶のことを新撰字鏡では「加波比良古(かわひらこ)」とし、亡くなった人の魂をも表した。川の近くでひらひら飛んでいたからこの名前がついたと言われ、蝶の古名とされるが、カワトンボとの混同ではないかとも疑われる。
因みに蝶は、奈良時代に唐から入ってきた言葉で、「てふ」と読んだ。万葉集に蝶の歌は載らないが、巻五の梅の歌の序文に1箇所だけ「新蝶」として出てくる。古今和歌集には、僧正遍照の和歌として
散りぬればのちはあくたになる花を思ひ知らずも惑ふてふかな
がある。