俳句

季語|ばった

初秋の季語 ばった

はたはたきちきち

ばったの俳句と季語直翅目バッタ亜目に属する昆虫の総称で、ショウリョウバッタ・トノサマバッタ・オンブバッタ・イナゴなどが含まれる。後脚が大きく発達していて、人が近づけば、その脚を使ってジャンプして逃げる。成虫はさらに、翅を伸ばして長距離移動を行うものが多い。ただし、オンブバッタなどは、飛ばない。

「きちきち」「はたはた」と呼ぶバッタはショウリョウバッタのことで、オスが飛ぶ時に出す音から命名された。「はたはた」は「ばたばた」に転訛し「ばった」となったと考えられ、ゆえに本種が「ばった」の代表である。
ショウリョウバッタを漢字で書くと「精霊蝗虫」となり、旧盆の精霊船に似ることから命名された。
ショウリョウバッタを小型にしたようなオンブバッタは、大きなメスの上に小さなオスが負んぶされているような姿が、しばしば観察される。これは交尾に到る行動であるが、オンブバッタは、交尾時以外でもオスがメスの背中に乗り続ける状態が観察できる。

因みに「ばったもん」という言葉があるが、隠語に投げ売りを意味する「ばった」という言葉があり、「ばったばった」と投げ売りされる様子から出てきた言葉と言われる。昆虫の「ばった」とは関係がない。
「はたはた」とした場合、冬の季語に「鱩(はたはた)」というスズキ目に属する魚もある。

【ばったの俳句】

はたはたや退路絶たれて道初まる  中村草田男

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