蟋蟀(こおろぎ・きりぎりす)

三秋の季語 蟋蟀

ちちろ虫(ちちろ虫)つづれさせ

季語直翅目バッタ目コオロギ科の代表種「こおろぎ」。日本に生息するのは、最も普通に見られるエンマコオロギのほか、ミツカドコオロギ、オカメコオロギ、ツヅレサセコオロギなど。
かつて「こおろぎ」は、鳴く虫すべてを指す言葉だったと言われている。語源は定かでないが、鳴き声を「こおろ」と聞きなしたところから来たという説がある。
文部省唱歌の「虫のこえ」では、鳴き声を「キリキリ」と聞きなしており、カマドコオロギの鳴き声だと言われている。

俳諧歳時記栞草では「蟋蟀」と書いて「きりぎりす」と読ませ、「立秋の後、夜鳴く。イナゴに似て黒し・・・俗につゞりさせとなくといふ。・・・秋の末までなく故に、古歌に霜夜によめり。」とあり、現在で言う「コオロギ」の説明をしている。また、「今俗にいふきりぎりすは莎雞(はたおり)也」と、現在での呼称を俗称としている。
因みに「こほろぎ」には「竈馬」の文字が当てられ、鳴かぬ虫「かまどうま」の説明をしている。

8月から11月にかけて鳴き声を聞くことができるが、鳴くのはオスだけで、縄張りを主張したり、メスを誘う目的で、翅の発音器をこすり合わせて鳴く。
一般に夜鳴くと思われているが、気温の低下とともに昼に鳴くようになる。新古今和歌集(小倉百人一首第91番)後京極摂政前太政大臣の歌

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む

の「きりぎりす」は、霜夜を生き延びるが故に「コオロギ」のことだと言われているが、霜夜の頃には昼に鳴くことが多い。
因みに万葉集に「蟋」は歌われているが、ここでは「こおろぎ」と読み、「白露」や「浅茅」「草」とともに歌われる。まだ「霜夜」との関連付けもなく、種類の特定が難しいが故に秋の夜に鳴く虫のこととする。詠み人知らずの歌には

草深みこほろぎさはに鳴くやどの 萩見に君はいつか来まさむ

がある。

中国には、闘蟋というオスのコオロギを戦わせる賭博が唐の時代からあり、人気を集めているという。最近では、昆虫食が注目されているが、その代表のひとつが蟋蟀食である。おいしいらしい。。。

こほろぎや犬を埋めし庭の隅  正岡子規
酒蔵の酒のうしろのちゝろ虫  飴山實

インターネット歳時記


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