俳句

季語|蜘蛛(くも)

三夏の季語 蜘蛛

女郎蜘蛛(じょろうぐも)

新形三十六怪撰源頼光土蜘蛛ヲ切ル図(国会図書館)節足動物門鋏角亜門クモガタ綱クモ目。6本脚の昆虫とは別のグループに分類され、8本の脚を持つ。また、腹部から出る糸で網を張って、昆虫などを捕食することで知られているが、網を張らずに生活する蜘蛛も多い。
蜘蛛の語源は、アシダカグモの漢名の「喜母(きも)」にあると考えられている。

ハエトリグモやアシダカグモなど、日本では約1300種の蜘蛛が知られているが、俳句では女郎蜘蛛がよく詠み込まれる。その体色から花魁と見なされた女郎蜘蛛は、直径1mくらいの網を張り、弱いながらも毒を持つ。雌は30㎜に達する大きな蜘蛛であるが、雄はその半分以下の大きさしかなく、しばしば雌の餌となる。谷崎潤一郎の小説「刺青」など、文学でもよく取り上げられる生物である。
なお、女郎蜘蛛は秋によく見られるが、俳句の世界では夏の季語となる。

ヨーロッパの伝説に登場する毒蜘蛛タランチュラなど、古来、その姿の異様さから恐れられてきた生物であり、現在でも害虫と見なされることが多い。しかし、本来は害虫を退治する益虫である。近年では、その強靭な糸が産業界に役立つのではないかとも言われている。
また、身近な生物であるために、「朝に蜘蛛を見ると縁起が良く、夜に蜘蛛を見ると縁起が悪い」という俗説も生まれた。文学では、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」が有名である。

【蜘蛛の俳句】

蜘蛛に生れ網をかけねばならぬかな  高浜虚子

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA