仲秋の季語 野分
東経100°から180°までの北半球に発生する、最大風速17.2m/s以上の強い低気圧を台風という。その中心は「台風の目」と言われるが、下降気流となり、晴れ渡っている。
古くは、風が野の草を吹き分けるところから、野分(のわき、のわけ)と呼んだ。源氏物語二十八帖「野分」には、夕霧の幼い恋が歌われている。
風騒ぎむら雲まがふ夕べにも忘るる間なく忘られぬ君
台風の語源は、台湾や中国福建省の「大風」にあるという説が有力。それがヨーロッパで「typhoon」となり、漢字圏に逆輸入されて「颱風」となったと言われる。