和歌山県の季語と俳句

和歌山県内 俳句の舞台となった旅館

普賢院

高野山の宿坊「普賢院」は、虚子と同郷でホトトギス同人であった森白象(第406世金剛峯寺座主)が住職を務めていたことから俳句に縁が深く、芭蕉堂を持つ。そこには俳聖芭蕉のみならず、正岡子規高浜虚子高浜年尾が祀られている。なお、このような縁から高野山には句碑が多い。高浜虚子「琴瑟に仏法僧も相和して」、森白象「幾たびもしぐれし月の庭に立つ」。

和歌山県の御当地季語

熊野連歌始(新春の季語)
陰暦1月2日に熊野本宮で行なわれた百韻連歌。

御灯祭(春の季語)
2月6日に神倉神社で行われる火祭り。

粟島祭(春の季語)
3月3日に人形供養で知られる淡島神社で行われる雛祭り。

三宝柑(春の季語)
和歌山県特産のミカンで、「栖原三宝柑」と呼ばれる。江戸時代には藩外移出禁止となり、三方に載せて殿様に献上されたことから名前がついた。

那智火祭(夏の季語)
7月14日に熊野那智大社で行われる例大祭。扇祭ともいう。

新宮御船祭(秋の季語)
10月16日に熊野速玉大社で行われる例大祭。

日前国懸祭(秋の季語)
9月26日に日前神宮・國懸神宮で行われる例大祭。

紀州蜜柑(冬の季語)
ミカンの一種で、温州みかんとは異なる。最初に日本に広まったミカン。

和歌山県を詠んだ俳句

瀧落ちて群青世界とどろけり 水原秋桜子
「帰心」(1954年)所収。那智瀧を詠み込んだ秋桜子の代表句。この俳句が元になって、秋桜子の命日を群青忌という。

牡丹百二百三百門一つ 阿波野青畝
「紅葉の賀」(1962年)所収。牡丹千株を高野山に植樹したのを記念して、1951年6月に開催された第2回牡丹句会席上の作品。増福院の山門前に句碑がある。

老いらくのはるばる流し雛に逢ふ 大野林火
「飛花集め」(1974年)所収。1971年3月3日、淡嶋神社の雛流しを見て詠まれた俳句。

ご当地季語と御当地俳句