飯島晴子 ●
遅き日に打累ねたる蛇身かな 季飯どきや亀の鳴かうと鳴くまいと 季橋の名の嫁入橋や夏霞 季白髪の乾く早さよ小鳥来る 季八頭いづこより刃を入るるとも 季稲の香に晩き恋などあるもよし 季人の身にかつと日当る葛の花 季冬砂丘足跡遁るべくもなく 季寒晴やあはれ舞妓の背の高き 季凍蝶を過のごと瓶に飼ふ 季年迎ふ鈴を惜まず三番叟 季コンドルの貧乏歩きも四日かな 季大根葉の青さゆゆしき女正月 季濤音の七草粥を吹きにけり 季泉の底に一本の匙夏了る 季螢の夜老い放題に老いんとす 季天網は冬の菫の匂かな 季らしくともらしくなしとも猪の跡 季安宿に棘うごく海胆すすりけり 季橡の花きつと最後の夕日さす 季死んだやうにダリヤがかくしてゐる少年 季木苺の花の日ぐれを持てあます 季
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