冬 click ⇒ ≪解説≫
莨火をかばふ埋立冬一色 秋元不死男冬砂丘足跡遁るべくもなく 飯島晴子僧の背に漾ふ微塵冬探し 市川葉冬すでに路標にまがふ墓一基 中村草田男北岳のかがやき増せば一挙に冬 福田甲子雄大仏のうしろは冬の匂ひせり 細井みち吹かれきて冬のはじめの鉋屑 宇佐美魚目ロシヤ映画みてきて冬のにんじん太し 古沢太穂わが影や冬の夜道を面伏せて 嶋田青峰やすらかに割りたる冬の卵かな 青柳志解樹跳箱の突き手一瞬冬が来る 友岡子郷溶岩が花なり冬の桜島 鷹羽狩行冬ぐもりひさびさ湯にいり金を借る 種田山頭火冬講義うしろ漂ふカレーの香 赤尾兜子
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