三春の季語 春の雪
立春以降に降る雪。「牡丹雪」は、雪の結晶が多数付着し合い、花びらのように大きな雪片をもつ雪のことを言う。これは、春に限って降るものではないが、気温が上昇する中で降る雪は、雪片が大きくなりがちである。地面に落ちるとすぐに融けることが多い。
▶ 関連季語 淡雪(春)
【春の雪の俳句】
春の雪霏々として又降つて来る 正岡子規
立春以降に降る雪。「牡丹雪」は、雪の結晶が多数付着し合い、花びらのように大きな雪片をもつ雪のことを言う。これは、春に限って降るものではないが、気温が上昇する中で降る雪は、雪片が大きくなりがちである。地面に落ちるとすぐに融けることが多い。
▶ 関連季語 淡雪(春)
春の雪霏々として又降つて来る 正岡子規
春に降る雪は、積ることなくすぐに解けてしまう。
「山の井」「俳諧御傘」などで、「沫雪(あわゆき)」は冬に分類されるが、「俳諧古今抄」に「今按ずるに 淡雪は冬に用ふべき所以なし 雪の斑なる形容は 初雪ともいひ 薄雪ともいはん 春の雪の平白ならんも 日影にちりて淡雪ならむも 寒気の淡和なるゆえなければ 淡雪は決して春と定むべし」。また、「芭蕉翁廿五箇条」の「二季に渡るものゝ事」に、「淡雪は春季もしかるべし 口伝 新古式法あり」。
このように、芭蕉のころまでは冬の事物との認識であったと考えられるが、万葉集には詠み人知らずで
梅が枝に鳴きて移ろふ鶯の 羽白袴にあわ雪ぞ降る
があり、古くは春の認識であったとも言われる。
因みに「淡雪」は儚い雪の意味で「あはゆき」、「沫雪」は泡のような雪の意味で「あわゆき」となる。
▶ 関連季語 春の雪(春)
淡雪のつもるつもりや砂の上 久保田万太郎