海鼠(なまこ・かいそ・こ)

三冬の季語 海鼠

季語 海鼠ウニ、ヒトデなどが属する棘皮動物門。その内のナマコ綱に属する。中でも、食用になるのはシカクナマコ科のマナマコなど約30種類。
目・耳・鼻や心臓もなく、前端の口と後端の肛門を結ぶ消化器が、主たる器官である。海底に堆積した有機物を食べながら生活し、攻撃を受けると消化器を放出するものもあるが、数カ月で再生する(マナマコにこの機能はない)。なお、雌雄異体で、生殖器はある。

食用とされるマナマコの旬は初冬。比較的低温を好み、水温が25℃以上となると「夏眠」する。
マナマコは体色から三種に大別され、外洋性のアカコ、内海性のアオコ、さらに色素が濃くなったクロコがある。食用としては、中国でクロコが海のダイヤとも称され、最も高価。アオコが最も安価で、通常はアカコの半値以下で取引される。
ナマコを生食するのは、ほぼ日本に限られ、食用として珍重する中国においても生食はしない。また日本では、内臓を塩蔵したものを「このわた」と言い、ウニ・からすみと並ぶ日本三大珍味に数え上げる。
ナマコは、滋養強壮薬・皮膚病薬としての漢方薬としても知られており、中国では海の人参という意味の「海参」の名で呼ばれる。

海鼠は、古くは「こ」と呼ばれている。古事記の「猨女の君」の項に、魚を集めて「天つ神の御子に仕えまつるか」と聞いたところ、海鼠(こ)だけが何も言わなかったため、天の宇受売(あめのうずめ)が紐小刀で口を裂いたとある。なお、この説話には「速贄(はやにえ)」の表現があり、少なくとも古事記が編纂された奈良時代のはじめには、海鼠が食用にされていたことが伺える。
ナマコの語源は、触ると小さく固まることから、「凝(こる)」にあるとされ、それに「生」がついたもの。俳諧歳時記栞草では、「生海鼠」と書いて「なまこ」と読ませている。

生きながら一つに冰る海鼠哉  松尾芭蕉
憂きことを海月に語る海鼠かな  黒柳召波

インターネット歳時記

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