ホトトギス
みちのくの町はいぶせき氷柱かな 山口青邨● 季たんぽぽの黄が揺れ飛機の着陸す 稲畑廣太郎 季たんぽぽの花の仔細に着陸す 稲畑汀子 季たんぽぽの素通り風の野なりけり 稲畑汀子 季又踏んでしまふたんぽぽたんぽぽ野 稲畑汀子 季又の名を紫陽花寺と諾へり 稲畑汀子 季紫陽花の今朝の色見て旅立ちぬ 稲畑汀子 季甘草の芽のとびとびのひとならび 高野素十● 季冬蜂の死にどころなく歩きけり 村上鬼城● 季花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ 杉田久女● 季あなたなる夜雨の葛のあなたかな 芝不器男● 季頂上や殊に野菊の吹かれ居り 原石鼎● 季短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎 竹下しづの女● 季鹿垣の門鎖し居る男かな 原石鼎 季空山へ板一枚を荻の橋 原石鼎 季山の日に萩にしまりぬ便所の戸 原石鼎 季鉞に裂く木ねばしや鵙の声 原石鼎 季
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