三夏の季語 船遊び
楽しみ目的で船に乗る習慣は古くからあったと見られ、京都嵐山で5月に行われる「三船祭」は、平安時代の面影を残す。当時は主に、和歌や奏楽を楽しんだか。また、万葉集にも原型は確認され、額田王の
熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
も、舟遊びの歌と言われる。
江戸時代になると、花見や月見目的で船に乗ることも多くなったが、夏の季語となる「船遊び」は、主に涼をとるもの。
夏空(なつぞら)・夏の雲(なつのくも)・夏雲(なつぐも・かうん)・夏の天(なつのてん)・夏天(かてん)
主に、夏の晴れた空を指す。
空は、見上げる時に身体を反らすから「そら」とよばれるようになったとの説がある。なお、山幸彦で知られる天孫・日子穂穂出見を虚空津日高(そらつひこ)と呼ぶが、古くは、天と地上の間にある場所を虚空(そら)と呼んでいたと思われる。