季語|船遊び(ふなあそび)

三夏の季語 船遊び

遊船(ゆうせん)

船遊びの俳句と季語楽しみ目的で船に乗る習慣は古くからあったと見られ、京都嵐山で5月に行われる「三船祭」は、平安時代の面影を残す。当時は主に、和歌や奏楽を楽しんだか。また、万葉集にも原型は確認され、額田王の

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

も、舟遊びの歌と言われる。
江戸時代になると、花見や月見目的で船に乗ることも多くなったが、夏の季語となる「船遊び」は、主に涼をとるもの。

【船遊びの俳句】

遊船のさんざめきつつすれ違ひ  杉田久女

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季語|夏の湖(なつのみずうみ・なつのうみ)

三夏の季語 夏の湖

夏の湖の俳句と季語大きいことを表す「う」と水の「み」が結びつき、「うみ」。名前の由来は淡水湖にあるが、塩湖や、淡水中に海水が入った汽水湖もある。
日本最大の湖は琵琶湖であり、古くは「近つ淡海」と呼ばれ、近江の語源ともなった。また、「遠つ淡海」は浜名湖のことで、遠江の語源となった。因みに淡水湖であった浜名湖は、1498年に起きた明応地震で堤が決壊し、汽水湖になった。

【夏の湖の俳句】

高根より礫うち見ん夏の湖  池西言水

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季語|夏の月(なつのつき)

三夏の季語 夏の月

月涼し

夏の月の俳句と季語単に「月」といえば秋の季語となる。

太陽の次に明るいことから、次(つく)から「つき」になったという説がある。なお、古事記で月の神は三貴神に数え上げられ、イザナギの左目から生まれた太陽神アマテラスの次に、右目からツクヨミとして生まれる。

【夏の月の俳句】

蛸壺やはかなき夢を夏の月  松尾芭蕉

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季語|夏の蝶(なつのちょう)

三夏の季語 夏の蝶

夏蝶(なつちょう)揚羽蝶(あげはちょう)

夏の蝶の俳句と季語「蝶」といえば春の季語であるが、蝶には凍蝶に代表される冬の蝶や、秋の蝶、夏の蝶がある。体の大きいアゲハチョウは夏の蝶の代表であり、春を代表するモンシロチョウの幼虫がキャベツなどを食すのに対し、こちらはミカン科の植物を食して成長する。平氏の代表的な家紋には揚羽蝶があしらわれている。

蝶のことを古くは「かわひらこ」と呼んだが、川の近くでひらひら飛んでいたからこの名前がついたと言われている。因みに蝶は、奈良時代に唐から入ってきた言葉で、「てふ」と読んだ。

▶ 関連季語 蝶(春)

【夏の蝶の俳句】

あをはかや夏とぶ蝶の物がなし  堀麦水
乱心のごとき真夏の蝶を見よ  阿波野青畝

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季語|緑陰(りょくいん)

三夏の季語 緑陰


緑蔭(りょくいん)
・翠蔭(すいいん)・木下闇(こしたやみ)

緑陰の俳句と季語夏の日差しを浴びてよく茂った木々の葉によって生じた日蔭。

緑の語源は、カワセミの古い呼び名ソニドリにある。ソニとは青い土(に)のことである。

【緑陰の俳句】

緑陰をよろこびの影すぎしのみ  飯田龍太

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季語|夏の空(なつのそら)

三夏の季語 夏の空

夏空(なつぞら)夏の雲(なつのくも)夏雲(なつぐも・かうん)・夏の天(なつのてん)・夏天(かてん)

夏の空の俳句と季語主に、夏の晴れた空を指す。
空は、見上げる時に身体を反らすから「そら」とよばれるようになったとの説がある。なお、山幸彦で知られる天孫・日子穂穂出見を虚空津日高(そらつひこ)と呼ぶが、古くは、天と地上の間にある場所を虚空(そら)と呼んでいたと思われる。

【夏の空の俳句】

夏空へ雲のらくがき奔放に  富安風生

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季語|夏の海(なつのうみ)

三夏の季語 夏の海

夏海(なつうみ)・夏濤(なつなみ)夏の波(なつのなみ)・夏の潮(なつのしお)・夏潮(なつしお)・青葉潮(あおばしお)・青潮(あおしお)・夏の浜(なつのはま)・青岬(あおみさき)

夏の海の俳句と季語大きいことを表す「う」と水の「み」が結びつき、「うみ」となった。また海は、母なる海として「産み」に結び付けられることもある。
海水浴客が訪れる夏の海は、四季を通じて最も賑やかになる。夏は、海の青さが最も印象的な季節である。

【夏の海の俳句】

よるべなく光あかるし夏の浜  山口誓子
島々や千々に砕けて夏の海  松尾芭蕉

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