俳句例句(季語から)



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今日よりや書付消さん笠の露  松尾芭蕉(おくのほそ道)
露の世は露の世ながらさりながら  小林一茶
まぐはひや露びつしりと家囲む  糸大八
露の中日当りそめし藁屋かな  轡田進
露を置く野のキリストの足の釘  有馬朗人
ひとしづくけふのいのちぞ菊の露  桜井梅室
わがいのちいよよさやけし露日和  日野草城
猫と生れ人間と生れ露に歩す  加藤楸邨
落ちかかる葉先の露の大いさよ  星野立子
ショパン弾き了へたるままの露万朶  中村草田男
わかものゝ妻問ひ更けぬ露の村  芝不器男
野の露によごれし足を洗ひけり  杉山杉風
伏目に読む睫毛幼し露育つ  橋本多佳子
露の宿掃き出す塵もなかりけり  富安風生
うき島や露に香うつる馬の腹  上島鬼貫
露燦と俳諧やくざ恥多し  山口草堂
旅人の火を打こぼす秋の露  与謝蕪村
傘さして露分行や山法師  高桑闌更
今貸した提灯の灯や草の露  高井几董
家は皆露の中にて打つ火かな  夏目成美
道の辺や露深草の捨車  内藤鳴雪
蔓踏んで一山の露動きけり  原石鼎
死なば秋露の干ぬ間ぞ面白き  尾崎紅葉
露の徑をゆづりおくれてあと戻り  久保より江
ぬぐはゞや石のおましの苔の露  宗波(鹿島詣)
萱原にをしや捨ておく露の玉  田捨女
艸よ木よ汝に示すけさの露  田捨女
金剛の露ひとつぶや石の上  川端茅舎
ひろびろと露曼荼羅の芭蕉かな  川端茅舎
露散るや提灯の字のこんばんは  川端茅舎
硯かと拾ふやくぼき石の露  松尾芭蕉

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