寒星(かんぼし・かんせい)

三冬の季語 寒星

冬星(ふゆぼし)冬の星(ふゆのほし)冬星座(ふゆせいざ)

季語 寒星冬は、日没が早く空気も澄むことから、天体観測には最も適した季節だと言える。また、この時期はジェット気流が強くなるため、星の瞬きが美しい。
観察できる一等星も多くなる季節であり、オリオンやスバルなども肉眼で見ることができる。

冬の代表的な星座に、三ツ星が美しいオリオン座や、夜の空で一番明るい恒星シリウスを持つおおいぬ座、赤い一等星アルデバランを持つおうし座などがある。また、ベテルギウス・シリウス・プロキオンを結ぶ冬の大三角も観察できる。

寒星や神の算盤たゞひそか  中村草田男

インターネット歳時記

河豚(ふぐ・ふく・ふくべ・かとん)

三冬の季語 河豚

季語 河豚フグ目フグ科トラフグ属にトラフグ・マフグなどがあり、日本では古くから食されてきた。特にトラフグは美味とされるが、肝や卵巣にフグ毒(テトロドトキシン)を持つため、調理には免許を必要とする。
なお、フグ毒は海洋細菌によって産生されるため、陸上養殖で人工餌を与えることで河豚を無毒化することが可能になっている。
ふぐの旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」と言われ、薄作りにした河豚刺(てっさ)、河豚鍋、河豚のひれ酒などが喜ばれている。

貝塚から河豚の骨が出て来ることから、日本では縄文時代から食されていたと考えられているが、フグ毒に当たる者が多かったために、豊臣秀吉の朝鮮出兵では「河豚食禁止令」が出されている。江戸時代も、藩によっては河豚食を禁止し、明治時代には全国的に河豚の販売が禁止となった。季語 春帆楼
そんな中、伊藤博文が下関の春帆楼に宿泊した際、時化で食材がなかったため罰せられることを覚悟して提供したところ、食味に感激。山口県では、明治21年(1888年)に全国に先駆けて解禁となり、春帆楼はふぐ料理公許第一号店となった。その春帆楼は、日清講和条約が結ばれた場所である。

怒ると膨らむことから、語源は「膨らむ」にあるとする説が有力。漢字で「河豚」と表記するのは、中国で食用とされるメフグは河川に生息しており、豚のような鳴き声を発するからだと言われている。
平安時代には「ふく」「ふくべ」と呼ばれており、「ふぐ」と呼んでいたのは、江戸時代の関東地方だと言われている。俳諧歳時記栞草では「河豚魚」で「ふぐ」と読む。現在では、河豚で有名な下関での呼称「ふく」の方が異称のように思われており、フグが「不遇」を想起するために、フク(福)となったなどと言われる。
また、大阪では「てっぽう」と呼ぶが、これは、時々毒に当たることを「たまに当たる」としたところから来ている。当たると、痺れが体全体に広がっていき、呼吸麻痺を引き起こして死に至る。

もののふの河豚にくはるる悲しさよ  正岡子規

インターネット歳時記

鮟鱇(あんこう・あんこ)

三冬の季語 鮟鱇

季語 鮟鱇アンコウ目アンコウ科の魚。日本で食されるのは、その中でもキアンコウ(ホンアンコウ)とアンコウ(クツアンコウ)。これらは、砂泥状の海底を持つ深海に生息し、手足のように変形したヒレで海底を移動している。
アンコウ漁は、産卵を終えた7月から8月までが禁漁期間となり、旬は11月から2月。江戸時代には「三鳥二魚」と呼ばれる5大珍味に数え上げられ、鶴・雲雀・鷭・鯛と並ぶ高級食材だった。
体全体が柔軟で粘りがあるため、「吊るし切り」という独特の方法で捌かれて、七つ道具と言われる身・皮・胃・肝臓・卵巣・鰓・鰭に切り分けていく。身は柳肉と呼ばれ、淡白な食感が特徴。最も知られる鮟鱇料理は、鮟鱇鍋。あん肝は「海のフォアグラ」とも呼ばれ、酒の肴として人気がある。

その特徴的な大きな顎が、「あんこう」の語源になったとの説がある。俳諧歳時記栞草には、「華臍魚」と書いて「あんかう」と読ませ、「老婆魚(ろうばぎょ)、綬魚(じゅぎょ)、琵琶魚(びはぎょ)の諸名あり」とある。

鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる  加藤楸邨

インターネット歳時記

玉子酒(たまござけ)

三冬の季語 玉子酒

卵酒(たまござけ)

季語 玉子酒酒に鶏卵、砂糖を混ぜて作るホットカクテルの一種。
俳諧歳時記栞草に「寒気を禦がんために飲之」とあるように、風邪をひいた時に飲むものとの認識があるが、風邪への効果は認められていない。一種の滋養強壮剤ではある。

玉子酒どちらが先に死ぬなどと  橋本村童

ふつうは家庭で作られるものであるが、伊達家御用蔵として知られる「勝山」は「たまご酒」を市販し、人気を博している。100年以上の伝統を持つ玉子酒である。



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山眠る(やまねむる)

三冬の季語 山眠る

眠る山(ねむるやま)

季語 山眠る郭煕(1023年?~1085年?)の画論「臥遊録」に、「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如く」とある。これをもとに、「山笑ふ」は春、「山滴る」は夏、「山粧ふ」は秋、「山眠る」は冬。
冬山の静まり返った様子をいう。俳諧歳時記栞草では、「山眠」と書いて「やまねぶる」。

天竜へ崩れ落ちつつ眠る山  松本たかし

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狼(おおかみ)

三冬の季語 

季語 狼ネコ目イヌ科イヌ属。タイリクオオカミの亜種であり、ハイイロオオカミと同種のニホンオオカミは、本州・四国九州に棲んでいた。1905年に奈良県東吉野村で捕獲されたのを最後に、絶滅したと考えられている。また、北海道には毛並が茶色のエゾオオカミが生息していたが、これも1900年ごろに絶滅した。
イヌは、オオカミが飼い馴らされて家畜化したものと考えられている。西洋では牧畜が盛んだったこともあり、害獣との位置付けが強いが、農耕社会である日本では、害獣を駆逐する益獣としての位置付けから、神格化されることもあった。そのため、「おおかみ」の語源は「大神」であるとされる。
また、真神(まかみ)は狼を神格化した古語であり、万葉集には舎人娘子の和歌として、

大口の真神が原に降る雪は いたくな降りそ家もあらなくに

が載る。

日本神話における狼は、ヤマトタケルの項が印象的。景行天皇紀に、ヤマトタケルが信濃山中で迷った時に、白き狗が出てきて、美濃に導いたとある。この「白き狗」が狼のことで、ヤマトタケルにゆかりのある秩父の三峯神社は、狼を守護神としている。
欽明天皇紀には、秦大津父という臣を得た時の話が出て来る。秦大津父が伊勢からの帰りに、二匹の狼が取っ組み合いをしており、「貴き神にして、あらき行を楽む」とある。「もし猟士に逢はば、禽られむこと尤く速けむ」と言って、その取っ組み合いを押しとどめ、「ともに命全けてき」と解き放った。

西洋では、グリム童話の「赤ずきん」「狼と七匹の子山羊」、イソップ物語の「オオカミ少年」など、悪いイメージで語られる物語が多いが、古代ローマの建国神話には、建国者の育ての親だとも語られている。

狼をのがれて淋し山の月  島田五空

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ずわい蟹(ずわいがに)

三冬の季語 ずわい蟹

越前蟹(えちぜんがに)松葉蟹(まつばがに)

季語 ずわい蟹十脚目(エビ目)ケセンガニ科の蟹。同じく冬の季語となる鱈場蟹(たらばがに)は、十脚目異尾下目(ヤドカリ下目)タラバガニ科に属し、正確には蟹ではなく、ヤドカリである。
ずわい蟹は、メスよりもオスの方が大きい。山陰以東の日本海が主な漁場で、福井県で水揚げされるオスは「越前蟹」、山陰地方で水揚げされるオスは「松葉蟹」と呼ばれる。

語源は、細い木の枝を指す古語「楚(すわえ)」にあり、それがが訛って「ずわい」になったとされる。鍋や刺し身など、冬の味覚として人気が高く、蟹味噌や卵巣も食す。
地方によって、漁期が異なり、山陰地方の松葉蟹は11月6日から3月20日。ただし、メスは11月6日から12月31日までと決められている。

なお、ずわい蟹の種類には、ここで説明したオピリオと呼ばれるズワイガニのほか、ロシアやカナダから輸入されるオオズワイガニ、日本海特有種で水っぽいとも言われるが甘さはズワイガニを上回るベニズワイガニがある。

ずわい蟹大手広げて届きけり  根本ゆきを

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白菜(はくさい)

三冬の季語 白菜

季語 白菜アブラナ科アブラナ属の二年生植物。原産地は地中海沿岸。中国に伝わり、カブととツケナの交雑から、11世紀頃には結球白菜が生まれていたと言われている。因みに、欧州に残ったものからキャベツが生まれている。白菜の英名は「Chinese cabbage」で、中国のキャベツの意。
11月下旬から2月が旬で、鍋物には欠かせない食材であるが、普及したのは明治時代になってから。日清戦争・日露戦争で、中国野菜に触れたことが契機になったと言われている。
江戸時代には非結球種が渡来したが、交雑が起きて育種が難しく、定着しなかった。明治時代の終わりころから育種に成功するようになり、現在ではキャベツ・ダイコンに次ぐ生産量を誇る。

白菜から色々な加工食品も生まれているが、代表的なのは漬物とキムチ。ただ、朝鮮半島で白菜の栽培方法が確立されたのは、近代になってから。白菜キムチの歴史も、白菜の漬物同様、比較的新しい。

何のむなしさ白菜白く洗ひあげ  渡邊千枝子

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寒波(かんぱ)

三冬の季語 寒波

季語 寒波冬になると、シベリア大陸で発達した寒気団が、波のように押し寄せてくる。規模の大きいものは「大寒波」と言う。
気象庁の「気温に関する用語」では、「主として冬期に、広い地域に2~3日、またはそれ以上にわたって顕著な気温の低下をもたらすような寒気が到来すること」と記されている。

冬期に偏西風の蛇行が大きくなると、シベリア高気圧とアリューシャン低気圧の発達により、西高東低の気圧配置が強まる。この時に、北西風を伴い、強い寒波がやってくる。日本海側では雪、太平洋側では乾燥する。
クリスマス時期の寒波は、「クリスマス寒波」という。

寒波来こゑを失くして息を吐く  岸田稚魚

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枯木(かれき)

三冬の季語 枯木

枯木立(かれこだち)枯木山(かれきやま)

季語 枯木俳句の世界では、立ち枯れした木のことではなく、冬になって葉を落とした木のことを言う。
「こぼく」と言えば、立ち枯れの木のことを指し、「無心」をも指す。また「枯木(こぼく)花開く」という言葉があり、衰えゆくものが再び脚光を浴びることをいう。

橋かけてさびしさ通ふ枯木山  岡本眸

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