枯草(かれくさ・こそう)

三冬の季語 枯草

草枯る(くさかる)

季語「草枯(くさかれ)」は秋のことを言うが、枯草は冬の季語になる。曲亭馬琴の俳諧歳時記栞草に「枯草の露」は、秋之部に分類され、「枯野・枯草は冬なれども、露をむすびては秋なり」とある。


▶ 関連季語 秋草(秋)

枯草原白猫何を尋ねゆくや  石田波郷
枯草の一すぢ指にまきてはとく  横山白虹

インターネット歳時記

枯野(かれの)

三冬の季語 枯野

枯れ野(かれの)

季語草木の枯れはてて荒涼とした原野は、郷愁を誘う。「枯野」の句で最も有名なのは、事実上の芭蕉の辞世とも言われる「旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる」だろう。芭蕉があこがれた西行には、

朽ちもせぬその名ばかりをとどめおきて 枯野の薄かたみにぞ見る

という中将実方を弔った歌がある。「奥の細道」の道中で笠島に入った芭蕉は、同じように中将実方の塚を訪ねようとしたが、雨がひどくて疲れもあって、遠くから眺めたと記している。

古代において「枯野」と言えば船の名である。古事記(仁徳記)と日本書紀(応仁紀)と、記述に違いは見られるが、いずれも枯野という名の優れた船があったことが書かれている。そして、その船が使えなくなった時、塩を焼いて、焼け残りで琴を作ったとある。その時に、

枯野を塩に焼き其が余り琴に作り掻き弾くや 由良の門の門中の海石に振れ立つ浸漬の木のさやさや

という歌が歌われている。日本書紀の記述を辿れば、枯野は伊豆の軽野(狩野)から贈られた船だと想像できる。
この船名の枯野は恐らく「狩野」の転訛だと思われるが、本来「枯」は、「刈」「狩」に通じる言葉である。

旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる  松尾芭蕉
吾が影の吹かれて長き枯れ野かな  夏目漱石

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寒夜(かんや・さむよ)

三冬の季語 寒夜

冬の夜(ふゆのよ・ふゆのよる)夜半の冬(よはのふゆ)

季語冬の夜の寒さは厳しい。現代でこそ暖房設備が整い、室内では快適に過ごすことができるようになったが、かつては、それを如何に遣り過ごすかは生きていく上での課題であった。古い句に、時代の変遷を見るのも面白い。

冬の夜や古き仏を先づ焚かむ  与謝蕪村
抱く珠の貝のあはれを聞く冬夜  中村汀女

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冬没日(ふゆいりひ)

三冬の季語 冬没日

冬の暮(ふゆのくれ)

季語冬の日の夕方は日没も早いが、冬至が一番日没時間が早いのではない。12月上旬から中旬にかけて、東京では16時30分頃に日が沈む。大阪ではそれより約20分遅く、福岡では東京より約40分遅い。

冬の暮ころべばころぶ影法師  秋岡朝子

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冬館(ふゆやかた)

三冬の季語 冬館

季語主に、どっしりとした感じの洋風家屋について言う。

鳥影や遠き明治の冬館  角川源義

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鴨(かも)

三冬の季語 

小鴨(こがも)

季語カモ目カモ科。雌雄で色が異なり、雌は地味なものが多い。カモ科の鳥の内、カルガモ、オシドリなどは通年見られるのに対し、マガモ、コガモなどほとんどのカモは、冬鳥として渡ってくる。なお、アヒルはマガモを原種とする家禽である。
日本では、古くから食用にされており、各地の貝塚から鴨の骨が発見されている。また、播磨国風土記には、応神天皇の時代に鴨を羹にしたとの記述がある。身近な鳥であった証に、各地に「鴨川」などの地名が存在する。
「鴨」は利用しやすい人を指す言葉でもあり、「鴨が葱を背負ってくる」などの諺も生まれた。
有名な和歌に、謀反の疑いで自害させられる直前に大津皇子が詠んだとされる

百伝ふ磐余の池に鳴く鴨を 今日のみ見てや雲隠りなむ

が万葉集に載る。

鴨渡る明らかにまた明らかに  高野素十

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裸木(はだかぎ)

三冬の季語 裸木

季語枯木に似るが、落葉を終えて生命の火をつなぐ冬場の木のことを言う。バラ科の常緑高木「バクチノキ」もこの名で呼ばれるが、これは、剥げた幹が人肌色で、博打に負けて裸になった様を彷彿とさせるため。

裸木となりて樹齢を偽らず  早野広太郎

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木の葉(このは)

三冬の季語 木の葉

木の葉散る(このはちる)

季語季語の「木の葉」は、散ったり散り残ったりしている樹木の葉のことで、冬の季語となる。取るに足らないことも「木の葉」になぞらえて表現する。つれづれ草百五十五段に、「木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず。下より萌しつわるに耐えずして落つるなり」と、木の葉散ることは春の兆しとの見方がある。
木の葉をもって歌にたとえたと言われる万葉集にも、

奥山の木の葉隠りて行く水の 音聞きしより常忘らえず

など、木の葉を詠んだ歌が掲載されている。

夕暮や土とかたればちる木の葉  小林一茶

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おでん

三冬の季語 おでん

おでん酒(おでんざけ)・関東炊(かんとうだき)

季語おでんは御田と表記する。元々は、豆腐料理である「田楽」を意味する女房言葉で、田楽は室町時代にはじまる料理である。江戸時代に入って、こんにゃくの田楽が登場し、オデンの略称で呼ばれるようになったとも言われる。
おでんのことを関東炊あるいは関東煮とも呼ぶが、上方で提供された「お座敷おでん」と、煮て食べる「焼かない田楽」とを区別するために用いられた、関西での呼び名であるとも言われている。やがてその関東煮も、関西風のアレンジがなされて、関西炊と呼ばれるおでんもできた。
現代のおでんの具材は、地域色豊かなものとなっており、静岡県の黒はんぺん、沖縄の豚足などが有名。

別るるに東京駅のおでんかな  岬雪夫

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冬鳥(ふゆどり)

三冬の季語 冬鳥

冬の鳥(ふゆのとり)・寒禽(かんきん)

季語冬に見られる鳥全般。鷹、鴨、都鳥、鶴、鴛鴦、千鳥、鳰、白鳥などは、そのまま冬の季語となる。寒雀、浮寝鳥、寒鴉、水鳥なども冬の季語。

庭に来て鳴く冬鳥の名を知らず  浅野敏夫

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