カテゴリー: 仲冬
季語|冬至(とうじ)
仲冬の季語 冬至
冬至日とも言い、一年のうちで最も昼が短くなる日のことを指し、12月22日前後となる。また、二十四節気の第22で、大雪と小寒に挟まれた期間のことでもある。この期間の七十二候は、初候が夏枯草が芽を出すという「乃東生」、次候が鹿が角を落とす「麋角解」、末候が雪の下で麦が芽を出す「雪下出麦」。
太陽が最も南に到るこの日、陽の気が弱まり、陰の気が最も強くなる日であるとされる。俳諧歳時記栞草には、「冬至に三義あり、一は陰極るの至り、二は陽気はじめて至る、三は日南に行くの至り、故に冬至といふ」とある。
冬至のことを「一陽来復」とも言うが、陰が極まり陽に転ずることを指している。東京の穴八幡宮では、冬至祭が盛大に催され、「一陽来復」の御守を求めて多くの人が訪れる。
この日、小豆を使った冬至粥を食べ、冬至風呂と称して柚子湯に入る。冬至粥には邪気を祓う効用があるとされ、柚子は「融通」に掛けて、冬至に「湯治」の意味を込める。
また、冬至南瓜も知られるが、冬至に「ん」のつくものを食べると運気が上昇するとの縁起かつぎにより、「なんきん」を食べるのである。
19年に1度、冬至の日が朔になることがあり、これを朔旦冬至(さくたんとうじ)と言って、瑞祥とされる。直近の朔旦冬至は2014年であったが、次回は特殊事情で19年後にならず、2052年となる。
【冬至の俳句】
門前の小家もあそぶ冬至かな 野沢凡兆




季語|ポインセチア(ぽいんせちあ)
仲冬の季語 ポインセチア
トウダイグサ科トウダイグサ属、和名はショウジョウボクで、クリスマスフラワーとも呼ばれる。原産地はメキシコで、アメリカの初代メキシコ公使J・R・ポインセットが母国に持ち帰り広めたことから、ポインセチアと呼ばれる。
クリスマスフラワーと呼ばれるが、その鑑賞対象は、主に赤く染まる葉であり、それをキリストの血の色と見る。
日本には明治時代に渡来し、酒に浮かれ舞う猩々の赤顔に見立てて、猩々木(しょうじょうぼく)の名がついた。
クリスマスの時期に美しい赤色を楽しむには、約2カ月前から、人為的に光を遮断する短日処理を施す必要がある。
葉が赤色になるものの外、白色や桃色になるものもある。皮膚炎を発症する有毒成分を含むため、取り扱いには注意を要する。
【ポインセチアの俳句】
ポインセチアこころに人の棲まずなりぬ 草間時彦




季語|除夜の鐘(じょやのかね)
季語|柚子湯(ゆずゆ)
季語|クリスマス(くりすます)
仲冬の季語 クリスマス
12月25日、イエス・キリストの降誕を祝う祭り。西方教会では西暦345年には始まっていた。キリストの誕生日ではなく、冬至と結び付けられた祭りと考えられている。クリスマスは家族とともに過ごし、モミの木のクリスマスツリーの下にプレゼントを置くのが恒例行事となっている。
日本では、1552年に現在の山口市において、イエズス会が行ったのが初めてのクリスマス。以降、禁教令の影響を被っていたが、明治時代の1900年、明治屋のクリスマス商戦から広がっていった。
季語|師走(しわす)
仲冬の季語 師走
陰暦の師走は晩冬。現在では、新暦の12月も師走と呼ぶ。古くは、暮れの数日のみを「しはす」と言っていたらしい。
語源は、僧が読経に走り回るために「師馳す」にあるとされ、平安時代から支持されてきたが、一年の終わりを指す「年果つ(としはつ)」にあると見る方が正しいか。一年の行事を為し終えたことを「為果つ(しはつ)」と表現したとの説もある。万葉集には、一首だけ「師走」の歌が載るが、これは「十二月」を「しはす」と読む。
十二月には沫雪降ると知らぬかも梅の花咲く含めらずして 紀小鹿郎女