三冬の季語 とんび
二重廻し(にじゅうまわし)・マント(まんと)・インバネス
男性用の外套の一種で、コートとケープを合わせたようなデザインになっている。スコットランドのインバネス地方で生まれたとされるために、「インバネス」と呼ぶ。映画に登場するシャーロックホームズや金田一耕助が着用しているコートである。
日本には明治20年頃に伝わり、和装用コートとして独自のアレンジを加え、「二重回し」「二重マント」「とんび」「インバ」「エンバ」などと呼ばれた。「お大尽」の着衣として認識され、大正時代から昭和初期にかけて流行した。
一般的には、「インバネスコート」は袖のあるケープ付きの外套を指し、「とんび」や「二重回し」「二重マント」は袖の無いケープ付きの外套を指す。因みに「とんび」の名は、腕を広げると鳶のように見えたところからきている。
【とんびの俳句】
深夜の驛とんびの袖を振り訣れ 石塚友二

灰の中に埋めた炭火の事。「いけ火」「いけ炭」「うずみ」とも言う。炭火を灰の中に埋めておくと、炭火に供給される酸素量が減少するために、火持ちがよくなる。火種を絶やさないようにするための工夫である。
中国から伝わった、大晦日(旧暦12月30日)に邪気を祓う行事。「続日本紀」の慶雲3年(706年)の記述に「大儺」として現れるものが、国内での文献上は最も古い。
寒中に作られた紅のこと。
釈尊の成道の日、つまり釈迦が菩提樹の下で悟りを開いた日を指す。その日は臘月八日とされ、陰暦12月8日である。灌仏会・涅槃会とともに釈迦の三大法会と言われる「成道会(じょうどうえ):臘八会(ろうはつえ)」が行われ、臘八粥を食す。臘八粥は、長者の娘(スジャータ)が捧げ、釈尊が体力を回復させたとされる乳糜に見立てたものである。
キジカクシ科ジャノヒゲ属ジャノヒゲの実のこと。「蛇の髯の実」「竜の髯の実」ともいう。万葉集に「山菅の実(やますげのみ)」として歌われているとの説があり、大伴坂上郎女の和歌に
キク科ムカシヨモギ属アズマギクは、本州の中部以北の草原に見られるために、東日本の菊という意で「東菊」と呼ばれる。群生し、4月から7月くらいに花をつける。キク科シオン属の園芸品種である
「都忘れ」とは、キク科シオン属ミヤマヨメナの園芸品種で、4月から6月頃に紫・桃・白などの花を咲かせる。野生種のミヤマヨメナ(深山嫁菜:別名に野春菊)は本州から九州に自生し、栽培され始めたのは江戸時代からだと考えられている。
勿忘草は、ムラサキ科ワスレナグサ属の植物の総称で、中でもシンワスレナグサのことを指すことが多い。ただし、園芸種でワスレナグサとして流通しているのは、ノハラワスレナグサの場合が多い。
金鳳華は、キンポウゲ科キンポウゲ属の花のことである。国内で一般的なのは同属のウマノアシガタであるが、ウマノアシガタの八重咲種には「キンポウゲ」の標準和名が与えられている。