三夏の季語 天道虫
鞘翅目テントウムシ科の小型甲虫。葉の先端から飛び立つ様を、太陽に向かって飛んで行くと解し、「天道虫」と表記する。
単にテントウムシと言えば、黄赤と黒の組み合わせの豊富なバリエーションを持つナミテントウを指すが、これとは別のナナホシテントウの方が一般的なイメージを持つ。
アブラムシなどを食べる益虫として知られているが、種類によっては草食性のものもある。外敵に襲われると、強い臭いと苦味を持つ黄色い体液を出し、撃退する。
夏の季語になっているが、どちらかと言えば春に目立つ。成虫で越冬するものが冬場に発見されることもしばしばあるし、ナナホシテントウは夏眠することも知られている。
日本でも西洋でも縁起のいい昆虫とされ、英語には「マリアの遣い」という意味の「Lady bird」の呼称がある。また、テントウムシが体に止まっている時間の長さによって婚期が分かるとか、黄色いテントウムシは特別な幸運を呼ぶなどとの言い伝えがある。
その幸せを歌ったチェリッシュの「てんとう虫のサンバ」は、アルバム収録だったものがシングルカットされ、1973年に大ヒットするという幸運に恵まれている。
【天道虫の俳句】
のぼりゆく草細りゆく天道蟲 中村草田男

アジサイ科ウツギ属の落葉低木にウツギがあり、5月から6月頃に白い花をつける。ウツギは「空木」と書き、茎が中空になっているところからこの名前がついた。
1656年の伊勢暦に記され、1685年からはじまる貞享暦に正式に採用された、日本独自の雑節のひとつ。
その年の最初に生育した新芽を摘み採ってつくったお茶のことで、
蚕に似たさやを空に向かってつけるために、ソラマメの名がついた。空豆とも書き、野良豆・天豆・夏豆・四月豆などともいう。西南アジア原産で、イスラエルの新石器時代の遺跡からも出土。インド僧・菩提仙那が行基に贈ったとされ、日本へは8世紀ごろ渡来したと考えられている。
イネ科タケ亜科タケ類の若芽・筍は夏の季語。これを食す習慣は、主に中華圏のものである。しかし、日本でも古くから食されていたことが知られており、古事記にも記載がある。
別名として、新暦5月にも「皐月(さつき)」を用いることがある。これは「早苗月(さなえつき)」の転訛である。新暦5月の大半は、旧暦では卯月に当たり、夏の始まりとなる。
五節句の一つで、端午の節句、菖蒲の節句とも呼ばれる。かつては旧暦5月の最初の午の日を祝っていたが、現在では5月5日に行われ、国民の祝日「こどもの日」となっている。
キジカクシ科スズラン属の多年草。4月~6月に花を咲かせるため、夏の季語となる。全草に毒を持ち、ギョウジャニンニクと似ているために、誤食による中毒例が複数件報告されている。