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小西来山 

今でさへ顔なつかしや冬の梅 
着馴れても折り目正しや夏衣 
暁の雨を日に吐く椿かな 
立秋や白髪もはえぬ身の古び 
冬大根俵の中で芽出しけり 
むしつてはむしつては捨て春の草 
花咲いて死ともないが病ひかな 
雨戸こす秋の姿や灯の狂ひ 
松の月枝に掛たりはづしたり 
三味線も小歌ものらず梅の花 
ほのかなる鶯聞きつ羅生門 
湯屋まではぬれて行けり春の雪 
春風や堤ごしなる牛の声 
関照るや紅葉にかこむ箱根山 
雨風の中に立ちけり女郎花 
化に出た狐を化すしぐれかな