季語|秋(あき)

三秋の季語 

白秋(はくしゅう)・白帝(はくてい)・金秋(きんしゅう)・草枯(くさかれ)

秋の俳句と季語秋が五行説の金行にあたり、白色を配することから、「白秋」「金秋」ともいう。その秋を司るのは、白帝である。太陽暦では9月から11月まで、陰暦では7月から9月までを秋という。二十四節気では、立秋から立冬の前日まで。晴れた空が印象的で、動物が冬支度をする秋は、「天高く馬肥ゆる秋」ともいわれる。その他にも、数多くの秋に関連する慣用句があり、「女心と秋の空」「一日千秋」「秋の日は釣瓶落とし」「一葉落ちて天下の秋を知る」「実りの秋」などがある。童謡では、サトウハチロー作詞の「ちいさい秋みつけた」が有名。
小倉百人一首で、「秋の田の」ではじまる天智天皇の和歌は第1番であるのをはじめ、第5番には猿丸大夫の

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき

が載る。

空の清々しい様を「あきらか」と言ったという、秋の語源説がある。また、語源は「飽きる」にあるという説もあり、夏に向かって満ちて行ったものに嫌気がさすことを「あき」と言ったというものである。

【秋の俳句】

くろがねの秋の風鈴鳴りにけり  飯田蛇笏

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季語|落葉(おちば)

三冬の季語 落葉

落葉籠(おちばかご)落葉焚(おちばたき)落葉掻(おちばかき)

落葉の俳句と季語散り落ちる木の葉のことを落葉というが、貴人の落としだねのことも「落葉(おちば)」という。

【落葉の俳句】

岨行けば音空を行く落葉かな  炭太祇

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季語|蟹(かに)

三夏の季語 

蟹の子(かにのこ)・沢蟹(さわがに)・ざり蟹(ざりがに)

蟹の俳句と季語同じ蟹でも、ずわい蟹などは冬の季語となる。古事記の応神天皇条にはすでに、「この蟹や」ではじまる横歩きを織り込んだ長歌がある。古来、霊性のあるものとしてとらえられ、古語拾遺のヒコナギサが生まれる項には、蟹を掃う職の蟹守が出てくる。これは、宮中の設営や掃除を担う係であり、安産を祈りながら、生命の更新に役割を果たすと考えられていた蟹を守る役目を担っていたと考えられている。

語源は、甲が赤いところから「甲丹」の転訛とも考えられるが、中国での呼び名「かい」から来たとの説もある。

【蟹の俳句】

蟹つかむことを覚えて帰りけり  国友すみ女

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季語|睡蓮(すいれん)

晩夏の季語 睡蓮

未草(ひつじぐさ)

睡蓮の俳句と季語 スイレン科スイレン属の多年生水草。6月から8月にかけて花をつける。蓮と異なり、茎は水面から立ち上がらない。日本に古来自生するのはヒツジグサで、それ以外は明治時代以降の外来種か、それを交配させたもの。印象派のクロード・モネが好み、庭につくった睡蓮の池を描いた一連の絵画「睡蓮」はあまりにも有名。高知県北川村に再現された「北川村モネの庭マルモッタン公園」は、モネ財団公認の睡蓮の池がつくられたことで知られている。
ヒツジグサの語源は、未の刻に花を咲かせるところにある。夜には花を閉じてしまうことから、漢名では、睡る蓮として睡蓮の字が当てられる。

【睡蓮の俳句】

漣の吸ひ込まれゆく未草  西村和子

▶ 夏の季語になった花 見頃と名所

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季語|寒(かん)

晩冬の季語 

寒の入(かんのいり)大寒(だいかん)小寒(しょうかん)

寒の俳句と季語1月5日ころの二十四節気の小寒が、寒の入に当たる。この日から節分までを寒という。大寒は二十四節気の第24で、一年で最も寒さが厳しいとされる1月20日ころ。
「寒の内」は、「小寒」から「節分」までの約1か月間。

【寒の俳句】

約束の寒の土筆を煮て下さい  川端茅舎
大寒の一戸もかくれなき故郷  飯田龍太

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俳句|秋の灯(あきのひ)

三秋の季語 秋の灯

秋の燈(あきのひ)・秋ともし(あきともし)秋燈(しゅうとう)

秋の灯の俳句と季語秋の長い夜を照らす明り。

【秋の灯の俳句】

秋の灯やゆかしき奈良の道具市  与謝蕪村

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季語|元日(がんじつ)

新春の季語 元日

新年(しんねん)大旦(おおあした)元朝(がんちょう)・元旦(がんたん)

元日の俳句と季語一月一日。元旦は、その日の日の出。年神様が、新年の幸福をもたらすために訪れる。年神様を迎え入れるために、様々な正月行事が執り行われる。
年神は歳神とも書き、来方神とも穀物神とも祖霊とも言われる。該当する神は古事記にも現われ、建速須佐之男命と神大市比売の子・大年神とされる。大年神は、主流の神ではないが神裔が記されている特殊な神で、その神裔から、海外と関係する神と見られている。穀物に関与する神でもある。

【元日の俳句】

元日や晴れてすゞめのものがたり  服部嵐雪

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季語|春(はる)

三春の季語 

春の日(はるのひ)・東帝(とうてい)・青帝(せいてい)

春の俳句と季語太陽暦では3月から5月まで、陰暦では1月から3月までを春という。二十四節気では、立春から立夏の前日まで。語源は、田畑を「墾る(はる)」からきているという説がある。古今和歌集の紀友則の歌、

ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

は、百人一首33番。

【春の俳句】

発句也松尾桃青宿の春  松尾芭蕉
春や昔十五万石の城下哉  正岡子規

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季語|夜長(よなが)

三秋の季語 夜長

夜永(よなが)・長き夜(ながきよる)秋の夜(あきのよる)・夜長し(よるながし)

夜長の俳句と季語(桜さく島見知らぬ世界国立国会図書館オンライン)秋の夜の長く感じられることを言う。「日永」は春の季語、「短夜」は夏の季語、「日短」は冬の季語。百人一首3番には、柿本人麻呂の

足曳の山鳥の尾のしだり尾の長々し夜を獨りかも寝む

が選ばれているが、これは、万葉集に「思へども思ひもかねつあしひきの山鳥の尾の長きこの夜を」の異歌によみびと知らずとして挙げられる和歌。

【夜長の俳句】

あいつらも夜永なるべしそそり唄  小林一茶
夜長寝てその後の雁は知らざりき  日野草城

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季語|夏(なつ)

三夏の季語 

炎帝(えんてい)朱夏(しゅか)

夏の俳句と季語太陽暦では6月から8月まで、陰暦では4月から6月までを夏という。二十四節気では、立夏から立秋の前日まで。五行思想で、赤色を夏に配するところから「朱夏」「赤帝」ともいう。
語源は、「暑い」の「あつ」が転じて「なつ」となったとする説がある。万葉集にある持統天皇の歌、

春過ぎて夏来るらし白妙の衣ほしたり天の香具山

は、「春すぎて夏きにけらし白妙の衣干すてふ天のかぐ山」として百人一首の2番。

【夏の俳句】

月の輪をゆり去る船や夜半の夏  杉田久女

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