桜 click ⇒ ≪解説≫
桜より松は二木を三月越し 松尾芭蕉(おくのほそ道)
春の夜は桜に明けてしまひけり 松尾芭蕉
さまざまのこと思い出す桜かな 松尾芭蕉●
さきみちてさくらあをざめゐたるかな 野澤節子
吹雪くため咲きたる桜かと思ふ 堀井英子
明星や桜さだめぬ山かづら 宝井其角
毛皮はぐ日中桜満開に 佐藤鬼房
ごはん粒よく噛んでゐて桜咲く 桂信子
死をおもふこと恍惚と朝ざくら 石原舟月
手をつけて海のつめたき桜かな 岸本尚毅
みちのくの今年の桜すべて供花 高野ムツオ
神々のあくびが桜を枯らすのか 夏石番矢
死下手の此身にかゝる桜哉 小林一茶
ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな 村上鬼城
わが庵の桜も寂し煙り先 志太野坡
井戸端の桜あぶなし酒の酔 秋色●
雲雪とさくやさくらの山かづら 川上不白
世の中は三日見ぬ間に桜かな 大島蓼太(蓼太句集)●
咲き満ちて櫻撓めり那智の滝 水原秋桜子
夕晴や桜に涼む浪の花 松尾芭蕉
苗代の水にちりうく桜かな 森川許六
しなばやと桜におもふ時もあり 夏目成美
咲きいづるや桜さくらと咲きつらなり 荻原井泉水
西行庵花も桜もなかりけり 正岡子規
地に垂りていよいよあをきさくらかな 角川春樹
咲いてみせ散って見せたる桜かな 其角堂機一
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