三夏の季語 飛魚
ダツ目トビウオ科の魚で、世界に50種ほどが知られている。日本でも30種ほどが獲れ、ツクシトビウオやハマトビウオ、ホントビウオがよく揚がる。日本海側では、顎が落ちるほど美味いために「アゴ」と呼ばれるようになった(学名からきたなどの異説もある)。
回遊する魚で、春から夏にかけて日本近海を北上して産卵し、秋に南下する。春にはハマトビウオがよく獲れて、「春トビ」と呼ぶ。夏に獲れるのはツクシトビウオ・ホソトビウオ・ホントビウオで、「夏トビ」と呼ぶ。
宮崎の都井岬の、光に集まる習性を利用した「飛魚すくい」は夏の風物詩であり、長崎の平戸のアゴ漁は秋の風物詩である。
青魚で胸鰭が発達しており、時速50キロメートルほどで数百メートル滑空することが可能である。滑空するのは、主に捕食者から逃げるためであると考えられているが、航海する船舶の下から飛び出すのもよく目撃される。
刺身にしても美味で、塩焼きやフライなど、様々に料理される。島根県では県魚となっており、「アゴ野焼き」と呼ばれる蒲鉾が有名である。また、飛魚の卵はトビッコと呼ばれ、軍艦巻きなどにして食す。
【飛魚の俳句】
飛魚の干物にされてしまひけり 鈴木真砂女

ウナギ目アナゴ科に属する、鱗のない魚。同じ科にチンアナゴなどもあるが、「穴子」と言った場合にはマアナゴを指す。夏場は日本各地の浅い海の底に生息し、雄は50センチ、雌は100センチになる。冬場は、水深の深い海に移動する。産卵は、6月から9月に沖ノ鳥島南方沖に移動して行う。
二枚貝綱マルスダレガイ目ザルガイ科に属し、日本では東北以南の内湾の泥地に生息している。雌雄同体で大きさは10センチほど。産卵期は春と秋、寿命は1年から2年である。
帆立貝は、膨らみが大きい貝殻と小さい貝殻が合わさる二枚貝であり、イタヤガイ科に属する。日本では、北海道・東北の浅い海から捕れる。
十脚目に属する海老とは違い、蝦蛄は口脚目に属する節足動物である。日本各地の内海の水深10mから30mの泥底に浅い穴を掘って生活し、捕脚を用いてカニなどを叩き割って捕食する。時化のあとによく動き回る習性を利用して、刺し網漁などが行われる。
伊勢海老は、十脚目イセエビ科に分類される海老で、房総半島以南の浅い岩礁に生息する。大きいものは40センチにも達する。海外ではロブスターの一種とみなされることがあるが、ロブスターはザリガニの一種である。
桜蝦は、十脚目サクラエビ科に分類される海老で、桜色をしているために「桜蝦」の名がある。深海に生息し、駿河湾だけで獲られる。4月から6月までの春漁と、10月から12月までの秋漁がある。1895年に本格的な漁が始まった、比較的新しい食材である。
車海老は、十脚目クルマエビ科に分類される海老で、その美味さと姿の美しさから、海老の代表格とされてきた。ハルエビと呼ぶ地方もあるが、夏の季語となっている。ただし、ほとんどの歳時記に記載はない。
桜が咲くころに獲れる烏賊の総称であるが、主に、産卵のために沿岸に来るコウイカやアオリイカを指す。釣師は、これらを「春イカ」と呼ぶ。
軟体動物門頭足綱十腕形上目ツツイカ目ホタルイカモドキ科に属する。触手の先と腹に発光器があり、青から緑色に光るために、蛍烏賊の名がある。主に日本海に生息し、富山では「富山湾の神秘」と呼ばれて春の名物となっている。