俳句

季語|色鳥(いろどり)

三秋の季語 色鳥

色鳥の俳句と季語秋に渡って来る羽の色の美しい小鳥。また、秋に渡ってくる「色々な鳥」の意ともいう。
俳諧歳時記栞草(1851年)にも、秋之部八月に分類され、「いろいろ秋わたる小鳥をいふ」とある。

▶ 関連季語 小鳥(秋)

【色鳥の俳句】

色鳥のわたりあうたり旅やどり  斯波園女
色鳥の残してゆきし羽根一つ  今井つる女

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季語|初松籟(はつしょうらい)

新春の季語 初松籟

初松風(はつまつかぜ)

初松籟の俳句と季語松の梢に吹く風や、その音を松籟という。富安風生の昭和15年の第3句集に「松籟」がある。

【初松籟の俳句】

有明山初松風をおろしけり  上田五千石

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季語|たんぽぽ

仲春の季語 たんぽぽ

蒲公英(たんぽぽ)・鼓草(つづみぐさ)

たんぽぽの俳句と季語キク科タンポポ属。在来種は外来種(セイヨウタンポポ)に比べ、背が低く、種の数が少ない。セイヨウタンポポは開花期間が長く、夏場でも見られる。

タンポポの名は、別名を鼓草と呼ぶことから、鼓を意味する小児語であったタンポポが使われるようになった。元はフチナ(藤菜)、タナ(田菜)などと呼ばれていたらしい。英語名の dandelion はフランス語の dent-de-lion に由来し、ライオンの牙を意味する。

【たんぽぽの俳句】

たんぽぽの花の仔細に着陸す  稲畑汀子
たんぽぽや長江濁るとこしなへ  山口青邨

▶ 春の季語になった花 見頃と名所

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季語|凩(こがらし)

初冬の季語 

木枯らし(こがらし)木枯(こがらし)

凩の俳句と季語初冬の寒風は、木々をも枯らすと言われる。元禄3年(1690年)「新撰都曲」に載った「木枯の果はありけり海の音」は評判を呼び、池西言水は「木枯の言水」と呼ばれている。なお、この句の「海」は琵琶湖、「木枯」は比叡颪である。この句から派生したと見られる、山口誓子の「海に出て木枯らし帰るところなし」も秀句として知られる。

【凩の俳句】

木枯の果はありけり海の音  池西言水
海に出て木枯らし帰るところなし  山口誓子

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季語|秋の暮(あきのくれ)

晩秋の季語 秋の暮

暮秋(ぼしゅう)暮の秋(くれのあき)・秋暮る(あきくれる)・晩秋(ばんしゅう)

秋の暮の季語と俳句冬への移行も、秋の暮れ時をも指す秋の暮。新古今和歌集の「三夕の歌」は有名だけれども、それに先立つ後拾遺集に載る良暹法師の歌は、小倉百人一首70番。

淋しさに宿を立ち出でてながむればいづこも同じ秋のゆふぐれ

【秋の暮の俳句】

秋の暮水のやうなる酒二合  村上鬼城
この道や行人なしに秋の暮  松尾芭蕉

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季語|菫(すみれ)

三春の季語 

すみれ草(すみれぐさ)・一夜草(ひとよぐさ)

菫の俳句と季語在来種である菫は、日本各地に自生。花言葉は、「謙虚」「誠実」。万葉集にも「すみれ」あるいは「つほすみれ」として現れ、古くからすみれ摘みの習慣があったことが伺われる。山部赤人には次の歌があり、菫の別名「一夜草」の語源になった。

春の野にすみれ摘みにと来しわれそ野を懐かしみ一夜寝にける

スミレの語源は、植物学者牧野富太郎による、大工道具の「墨入れ」に似ていることから「すみれ」となったという説が有名。

【菫の俳句】

菫程な小さき人に生れたし  夏目漱石
山路きて何やらゆかしすみれ草  松尾芭蕉

▶ 春の季語になった花 見頃と名所

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季語|春の雨(はるのあめ)

三春の季語 春の雨

春雨(はるさめ・しゅんう)

春の雨の俳句と季語万葉集にはすでに春雨が歌われている。よみ人しらずではあるが、

春雨のやまず降る降る我が恋ふる
人の目すらを相見せなくに

などがある。また、嘉永年間 (1848年~1855年) に流行した端唄に「春雨」がある。

春雨にしっぽり濡るる鶯の
羽風に匂う梅が香や
花にたわむれしおらしや
小鳥でさえもひと筋に
ねぐら定めぬ気はひとつ
わたしゃ鶯 主は梅
やがて身まま気ままになるならば
さあ鶯宿梅ぢゃないかいな
さあ何でもよいわいな

【春の雨の俳句】

傘ささぬ人のゆききや春の雨  永井荷風
春雨やものがたりゆく蓑と傘  与謝蕪村

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季語|西日(にしび)

晩夏の季語 西日

大西日(おおにしび)

西日の俳句と季語西に傾いた太陽。その日ざし。夏の強い西日は室温を上昇させるために印象深く、夏の季語となる。

【西日の俳句】

広島の西日かなしき駅前に  皆吉爽雨

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季語|船遊び(ふなあそび)

三夏の季語 船遊び

遊船(ゆうせん)

船遊びの俳句と季語楽しみ目的で船に乗る習慣は古くからあったと見られ、京都嵐山で5月に行われる「三船祭」は、平安時代の面影を残す。当時は主に、和歌や奏楽を楽しんだか。また、万葉集にも原型は確認され、額田王の

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

も、舟遊びの歌と言われる。
江戸時代になると、花見や月見目的で船に乗ることも多くなったが、夏の季語となる「船遊び」は、主に涼をとるもの。

【船遊びの俳句】

遊船のさんざめきつつすれ違ひ  杉田久女

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季語|秋の雨(あきのあめ)

三秋の季語 秋の雨

秋雨(あきさめ)秋霖(しゅうりん)

秋雨の俳句と季語(夢二雨だれ国立国会図書館オンライン)秋の長雨は、秋雨前線によってもたらされる。秋はまた台風の季節であり、雨の降りやすい時期である。

雨の語源は、「天(あめ)」にある。雨が降るということは、大地が天と一体となることでもある。

【秋雨の俳句】

なき人の発句きゝけり秋の雨  高桑闌更

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