初冬の季語 枇杷の花
バラ科ビワ属ビワは、中国南西部原産で、四国や九州などに自生する。発掘遺物によって、弥生時代には渡来していたと考えられており、正倉院書物には食用にしていた旨の記載がある。ただし、これら野生化していたと見られる枇杷は果肉が少ない。
栽培品種は、中国では2000年以上前からあったとされるが、日本では江戸時代末期に導入されている。日本で栽培されているのは、実がやや長めの「茂木」と丸い「田中」で、この2品種で90%を超える。
「枇杷の花」は11月から12月頃に見られる、芳香がある地味な花である。果実は、「枇杷」として夏の季語になる。
「枇杷」は元は楽器の「琵琶」を指す漢字であったと言われている。5世紀頃に中国で栽培が始まると、その実の形が「琵琶」に似ており、「枇杷」に木偏がつくことから、その地位を奪い、琵琶は「琴」の一種として「琵琶」の字が当てられたという。
【枇杷の花の俳句】
枇杷咲いて長き留守なる館かな 松本たかし

ウコギ科ヤツデ属ヤツデは、関東以西の海岸近くの山林などに自生する常緑低木で、日陰でもよく育つ。11月から12月頃に花をつける虫媒花である。葉に白い斑が入った品種など、栽培品種も開発され、庭木として利用されている。
モクセイ科モクセイ属ヒイラギは、関東以西の山地に自生する雌雄異株の常緑小高木。半日陰を好み、11月から12月頃に、キンモクセイに似た芳香を持つ白い花を咲かせる。
キク科ツワブキ属ツワブキは、10月から12月頃、福島県以南の海岸近くの岩場や山地などに黄色い花を咲かせる。日陰を好む常緑多年草で、葉が縮れたり、斑が入ったりする園芸品種も開発されている。
ツバキ科ツバキ属チャノキは中国原産で、茶の原料になる。常緑樹で、樹高は10メートルに達することもあるが、栽培変種は作業性を考慮して腰ぐらいの高さに抑えて栽培される。
「
リンドウ科リンドウ属の多年生植物の総称であり、エゾリンドウ・ミヤマリンドウなどがあるが、トウリンドウの変種リンドウを「竜胆」とすることが多い。本州から九州の山地に自生し、9月から10月頃の晴天時に花を開く。
近代俳句では、「花畑」は概ね秋の季語とする。俳諧御傘(松永貞徳1651年)では「花畠」が春に置かれ、俳諧歳時記栞草(1851年)では「花圃(はなばたけ)」「花園」が春三月に、「花畠」が秋八月に置かれている。ただし俳諧歳時記栞草に、「花圃」「花園」は「種(うう)るところ」とあり、花を植える場所を指す意で分類されている。滑稽雑談(四時堂其諺1713年)では「花壇」を秋八月に分類し、「是も草花の多時を以て、秋とするならし」とある。
キク科シオン属シオンは、シベリアなどの北東アジア原産の多年草。日本では阿蘇山などに自生するが、平安時代以前に薬用として中国から持ち込まれたものが野生化したとも言われている。平安時代からは、観賞用に庭にもよく植えられており、9月から10月頃に花が咲く。
マメ科クズ属クズは、北海道から九州までの荒れ地などに自生する蔓性の多年草で、8月中旬から9月頃に花をつける。