カテゴリー: 季語
季語|鮫(さめ)
三冬の季語 鮫
軟骨魚綱板鰓亜綱に属する魚類のうち、鰓裂が体の側面にあるもの。鰓裂が下面にあるものはエイである。世界では553種、日本近海では約130種が確認されている。アオザメ(青鮫)・シュモクザメ(撞木鮫)などの、人喰鮫と呼ばれる獰猛な種類もある。また、大きなものは鱶(ふか)とも呼ばれ、古代には鰐(わに)とも呼ばれていた。
鮫は、一般的な魚とは異なり、交尾を行い、卵生のほか胎生の種類も存在する。生きた化石と呼ばれることもあるなど、古い形態を残した魚類である。
「ジョーズ」などの映画の影響で、海水浴シーズンにクローズアップされることが多い鮫であるが、フカヒレを取るための鮫漁は、大型鮫類の水揚げが多くなる冬場が好まれたために、「鮫」は冬の季語になったものと考えられる。
日本神話の「因幡の白兎」に登場する鰐(わに)は、鮫のことだと考えられている。また、皇孫を生んだ豊玉姫は八尋鮫(やひろわに)の姿をしていたとされる。
季語|乾鮭(からざけ)
季語|氷魚(ひうお・ひお)
季語|鰰(はたはた)
季語|鎌鼬(かまいたち)
季語|相撲(すもう)
初秋の季語 相撲
相撲取(すもうとり)・角力(すもう)・草相撲(くさずもう)・九月場所(くがつばしょ)・秋場所(あきばしょ)
日本の国技ともされる相撲は、「古事記」(712年)にも登場する。その起源は、葦原中国平定の時の建御雷神(鹿島神宮の御祭神)と建御名方神(諏訪大社の御祭神)の力競べだったとされる。「すもう」の言葉は、日本書紀の垂仁天皇七年条に現れる。そこでは、当麻蹴速の力自慢の噂を聞いた天皇が野見宿禰を召し出して、七月七日に「捔力らしむ(すまひとらしむ)」とある。ただし、この時は向かい合って蹴り合ったとあり、現在の相撲のようなものではなかったと見られている。当麻蹴速と野見宿禰が競い合ったとされる奈良県桜井市には、相撲神社が建立されている。この時に勝利した野見宿禰は出雲の人で、出雲大社境内に野見宿禰神社がある。
江戸時代に入ると神事にからめて勧進相撲が興行され、庶民の娯楽として定着するようになった。寛政年間には、谷風や雷電といった力士が現れ大人気となり、1833年からは両国を定場所とするようになった。1925年には日本相撲協会が誕生し、1958年からは15日興行を年6場所行う大相撲が定着した。
もとは豊穣を占う神事だったことから、「相撲」は秋の季語とされるが、日本相撲協会が主催する大相撲の「初場所」「春場所」「夏場所」「秋場所」といった、季節に応じた季語もある。