晩春の季語 草木瓜
櫨子の花(しどみのはな)・地梨の花(じなしのはな)
草木瓜は、バラ科ボケ属の植物で、関東以西の山地の斜面など、日当たりのよいところに自生する。同属の木瓜は、平安時代に中国から入ってきたと考えられており、日本の在来種がこの「草木瓜」である。
草木瓜は、木瓜よりも低木で、棘のある枝が横に広がり、草のように見える。木瓜よりやや遅れて、4月から5月頃に花が咲く。花は一重の朱色であるが、八重咲きや、黄色や白い花を咲かせるものもある。
別名に「櫨子(しどみ)」があるが、これは秋にできる果実からきた名前で、酸っぱいその実を「酸ど実」と呼んだものが転訛したと考えられている。
庭に植えると火事を招くとの俗説があり、庭木としては好まれない。

スズメ目キクイタダキ科キクイタダキ属キクイタダキは、スズメよりも小さな鳥で、頭頂部の黄色い冠羽が菊を思わせることから「菊戴」と呼ばれる。本州中部以北では留鳥として、山地の針葉樹林で繁殖する。秋の季語になるのは、越冬するために暖かい平地や西日本に飛来し、目にする機会が増えるためである。
「松むしり」は、スズメ目キクイタダキ科キクイタダキ属キクイタダキ(菊戴)のこと。系統的にはウグイスに近く、かつてはウグイス科に分類されていた。日本で最も小さな鳥とも言われている。
「浅蜊」はマルスダレガイ科アサリ属の二枚貝の総称で、アサリやヒメアサリを指す。塩分が薄い砂浜の浅いところに生息する。
江戸幕府がキリシタンを発見するために用いた絵を「踏絵」といい、それを踏ませることを「絵踏」と言う。18世紀中頃の長崎奉行所では、絵踏は正月四日から八日に行われ、正月行事の1つとなっていた。このため春の季語に分類される。踏絵には、イエス・キリストや聖母マリアが描かれた紙や板を利用していたが、損傷が激しいために真鍮踏絵が用いられるようになった。
立春以後の寒さのこと。春の寒さを指す季語に「
松露は、ショウロ科ショウロ属のキノコの一種で、形は球体でトリュフに似る。本州から九州の海辺の松林に春や秋に見られるが、希少価値が高い。食味は美味で香りもよい。
太宰府天満宮で、古くから正月七日に行われてきた神事。酉の刻になると「替えましょ、替えましょ」の掛け声とともに、「木うそ」を互いに交換する。これには、嘘を誠心に替え、悪いことを嘘にして吉に取り替えるという意味がある。
スズメ目アトリ科ウソ属ウソ。ヨーロッパからアジア北部にかけて分布し、日本では漂鳥あるいは冬鳥として観察できる。
ツバメ科ツバメ属イワツバメは、